Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

映画

時代革命

キウィ・チョウ=監督、2021年香港(ドキュメンタリー) 出演者のクレジットは「香港人」。 東京渋谷のユーロスペースにて。不便な時間帯だったのに、7割の客の入り。このドキュメンタリーは、香港では上映できない。代わりに日本で、自分の目でしっかりと観…

PLAN75

早川千絵=監督、2022年日本・フランス・フィリピン・カタール=合作 倍賞千恵子、磯村勇斗 これは、日本に住む人が全員観るべきです。ほんと。主人公の女性、角谷ミチ(倍賞千恵子)は78歳。夫と死別後、ホテルの客室清掃を長年続け、慎ましくも自立した一…

砂漠の流れ者/ケーブル・ホーグのバラード

サム・ペキンパー=監督、1970年米国 ジェイソン・ロバーズ、ステラ・スティーヴンス ワイルド・バンチよりほっこり。サム・ペキンパーさんこんな映画も作れるの?と意外な発見だった。前半ドリフのドタバタコントみたいだったが、最後が意外なほどシリアス…

ワイルド・バンチ

サム・ペキンパー=監督、1969年アメリカ ウィリアム・ホールデン、アーネスト・ボーグナイン、ロバート・ライアン 殺し合いの虚無感が強い。人が撃たれまくるので、甘ちゃん路線の人はちょっと合わないかも。西部劇がカッコいいものだった時代からアメリカ…

ニノチカ

エルンスト・ルビッチ=監督、1939年米国 グレタ・ガルボ、メルヴィン・ダグラス 歴史に残る名作。これは良かった!!! あのツンツンしたガルボが口いっぱい開けて笑うシーンは、見ていて幸せになった。そして、共産主義体制にどっぷり浸かっていても人は笑…

スープとイデオロギー

ヤン・ヨンヒ=監督、2021年日本(ドキュメンタリー) コン・ジョンヒ(康静姫、監督のオモニ)、荒井カオル あまり期待してなかったけど、すごく良かった。ドキュメンタリーはやはり面白い。 監督の夫君である荒井カオル氏が良い。まず自然体。ゆるキャラの…

ジギー・スターダスト

原題:Ziggy Stardust and the Spiders from Mars D.A.ペネベイカー=監督、1973年イギリス デヴィッド・ボウイ、ミック・ロンソン、トレヴァー・ボーダー、ウッディ-・ウッドマンジー 俳優としてあまりにあまりにカッコよかったデヴィッド・ボウイを長い時…

大人は判ってくれない

フランソワ・トリュフォー=監督、1959年フランス ジャン=ピエール・レオ トリュフォーの自伝的映画。終了後、前・東京国際映画祭ディレクターの矢田部吉彦さんのトークショーがあり、お得な回だった。ヌーベルバーグの旗手、トリュフォー。『監督のはらわ…

フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊

ウェス・アンダーソン=監督、2021年米国 ビル・マーレイ、ベニチオ・デル・トロ、フランシス・マクドーマンド ヘンテコなコメディーということで観た。奇想天外なので、「ギャグマンガ日和」が好きなら、この映画多分好きになると思う。 色味が不思議で、19…

教育と愛国

斉加尚代=監督(ドキュメンタリー)、2022年日本 これも面白かった。最近はドキュメンタリーの方が心揺さぶられるものが多い気がする。 道徳の教材で、「愛国的でない」という理由から、パン屋さんが和菓子屋さんに差し変わったこと。バカなの? 学校教科書…

日大闘争/続・日大闘争

日大全共斗映画班(ドキュメンタリー)、1968年/1969年全共闘のプロパガンダのための映画なのかもしれないが、逆に全共闘がなぜ求心力を失っていったかが克明に記録されている、という印象を受けた。 力強いのに何も意味を持たないアジ演説の数々。トロ文字…

ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男

トッド・ヘインズ=監督、2019年米国 マーク・ラファロ、アン・ハサウェイ、ティム・ロビンス 1990年代。DuPontの開発したフッ素系有機化合物の有害性がようやく明るみに出てきた頃(または、PFOSとかPFOAとか、全然知られていなかった頃)の、一人の弁護士…

あの頃君を追いかけた

ギデンス・コー(柯景勝)=監督、2013年台湾 1996年、台湾・章化の高校生の青春を描く。 台北じゃなくて章化という、少しだけ地方の街。馬鹿なことをやりたい放題の高校生。好きな女の子から勉強を教えてもらうという、受験競争が厳しい東アジアならだれで…

コーダ あいのうた

シアン・ヘダー=監督、2021年米国 エミリア・ジョーンズ、トロイ・コッツァー、フェルディア・ウォルシュ=ピーロ、マーリー・マトリン アカデミー賞の作品賞って、どんなのだっけと、ある意味確認。面白かった。音楽モノはそれだけで涙。本気で生きる人が…

グレート・インディアン・キッチン

ジヨー・ベービ=監督、2021年インド(タミル語?) ニミシャ・サジャヤン、スラージ・ヴェニャーラムードインドの中産階級のリアル。この層は生で声を聴くことができないので興味深い。インド映画の題材は富裕層か貧困層のものに限定されていた印象があるが…

ロスト・イン・トランスレーション

ソフィア・コッポラ=監督、2004年米国・日本 ビル・マーレイ、スカーレット・ヨハンソン てんで期待せず鑑賞したが、面白かった。一説によると、この映画のお陰で欧米から日本への観光客が増えたのだとか。渋谷のスクランブル交差点を一度この目で見たい!…

上海グランド

プーン・マンキ=監督、1996年香港 アンディ・ラウ様特集ということで。AmazonPrime。 時代は、1935-36年。この時代の中国は中華民国という名称だったのだろうか。しかし、いつの時代も中国は混乱しているというか、動きがあることよ。 丁力(ディン・リク)…

「A」

森達也=監督、1998年日本 荒木浩、村岡達子 国立映画アーカイブ、よくぞ上映してくれました。これは学生時代からずっと観たかったけど観れてなかった。良かった良かった。 物事を色んな面から見るの、大事。 荒木浩さんは、オウム真理教の広報副部長。オウ…

クレッシェンド 音楽の架け橋

ドロール・ザハウィ=監督、2019年ドイツ ペーター・シモニシェック、サブリナ・アマーリ、ダニエル・ドンスコイ これもまた、えらく重~い話。 イスラエルの”平和”オーケストラの団員たちの物語。パッヘルベルのカノンが無限リピートする。 心を開きあう「…

メイド・イン・バングラデシュ

ルバイヤット・ホセイン=監督、2019年フランス・バングラデシュ・デンマーク・ポルトガル=合作 岩波ホール閉館、ついに、ということで。岩波ホールは20世紀(っていうか学生時代)に、マイナーなドイツ映画、アンジェイ・ワイダ特集、宋家の三姉妹、などで…

2gether THE MOVIE

ウィーラチット・トンジラー、ノッパナッ・チャウィモン、カニタ・クワンユー=監督、2021年タイ ワチラウィット・チワアリー(ブライト)、メータウィン・オーパッイアムカジョーン(ウィン) タイのBLということで、割とあり。もう、男女の恋愛との差がわ…

デュー あの時の君とボク

マシュー・チューキアット・サックビーラクル=監督、2019年タイ パワット・チットサワンディ、サダノン・ドゥーロンカウェロー、スコラワット・カナロス、ヤリンダー・ブンナーク 1996年のタイ。同性愛への偏見が色濃い町で、厳格な家庭に育った高校生ポッ…

インファナル・アフェア終極無間

アンドリュー・ラウ、アラン・マック=監督、2003年香港(寰亜電影) チャンの35日の法事のシーンからスタート。 ヨンとサムが内通している。

インファナル・アフェア無間序曲

アンドリュー・ラウ、アラン・マック=監督、2003年香港(寰亜電影) アンソニー・ウォン、エリック・ツァン、エディソン・チャン、ショーン・ユー インファナル・アフェアの第1作目の主人公たち、ラウとヤンの若い頃のお話。 サム・・・マフィアのボス。マ…

藍色夏恋

イー・ツーイェン=監督、2002年台湾・フランス グイ・ルンメイ、チェン・ボーリン 汗、自転車、夜のプール。これヒットするの分かる。 橋口亮輔の題材に岩井俊二テイストを入れて、プラス青春要素を付け足した、という印象だ。緑が鮮やかでそれを青空と対比…

インファナル・アフェア 無間道

アンドリュー・ラウ、アラン・マック=監督、2002年香港(寰亜電影Media Asia) トニー・レオン、アンディ・ラウ、アンソニー・ウォン、エリック・ツァン 香港ノワール。警察にスパイとして潜入したヤクザと、ヤクザにスパイとして潜入した警察という2人の男…

アッバス・キアロスタミ作品×3

トラベラー アッバス・キアロスタミ=監督、1974年イラン 1970年代のイランの子どもの映像を見られる機会はめったにないため、面白く観た。白黒。子どもが子どもをだますテクニックがほほえましく、写真にとってあげるからと小銭を徴収するのは、誰も傷つけ…

オリーブの林をぬけて

アッバス・キアロスタミ=監督、1994年イラン 「友だちのうちはどこ?」「そして人生はつづく」を20年以上前に観ていたので、気になってたもの。 ついに来ましたジグザグ三部作の完結編。しかし恥ずかしながら「そして人生はつづく」の内容をすっかり忘れ…

新海誠さんの映画をまとめて鑑賞

ありがとう、下北沢トリウッド!!彼女と彼女の猫(2000) ほしのこえ(2002) 雲のむこう、約束の場所(2004) 秒速5センチメートル(2007) この4本を連続で観て気が付いたこと。 ・これら、および「言の葉の庭」「君の名は。」「天気の子」も含め、主題…

ドライブ・マイ・カー

濱口竜介=監督、2021年日本 西島秀俊、三浦透子、霧島れいか、岡田将生 岡田将生がめっちゃ良かった。性格破綻者で変態の俳優という重要な役を、かっこよすぎず、むしろかっこ悪く演じてしまうという。せりふ回しも◎、「本当のことを言っていると」私もそう…