プーン・マンキ=監督、1996年香港
アンディ・ラウ様特集ということで。AmazonPrime。
時代は、1935-36年。この時代の中国は中華民国という名称だったのだろうか。しかし、いつの時代も中国は混乱しているというか、動きがあることよ。
丁力(ディン・リク)(演:アンディ・ラウ)は肥溜め汲み取りを職業とし、裏稼業はヤクザ。機転がきくので租界ヤクザのトップに。
許文強(ホイ・マンキョン)(演:レスリー・チャン)は台湾出身の中国独立運動の工作員。満州にいたが日本の統治から逃れ、脱走。列車で上海にやって来る。
馮 程程(フォン・ティンティン)(演:ニン・チン)は、本作のヒロイン。租界実業家(≒ヤクザ)の娘。
この3人を軸に、上海租界の裏のダークな部分を描いている。
映画のテイストはいまいちだったから返還後かなと思いつつ、アンディ様が若い!やっぱり1996年か。
香港映画は1997年から急速に面白くなくなってしまって(本当に残念!)その変化が素人目にもわかりやすかったのだけれど、この映画も返還後テイスト(冒険しない感じ)はあった。テンポがもたもたしてイマイチで、主役二人のかっこよさで持っていた、という印象。上海租界のセットは、相当作り込んであって、見学の機会があればしてみたいと思った。でも後はね。。。このマイナス評価は香港ノワールがあまり好きではないからかも。銃撃戦シーン、ヤクザの喧嘩シーンも、蛇での殺戮シーンも、いずれもグロテスクで無駄な流血が多いと感じた。そしてヒロインの程程、愛嬌のある顔立ちだが、いまいち私の好みではないことから、ノレなかったなぁ。
上海に「風と共に去りぬ」の映画ポスターあったのが斬新だった。字幕でもちゃんと「風と共に去りぬ」と。中国語で「亂世佳人」。「亂世佳人」は1939年制作・公開なので、厳密には36年には見れないはずなのに、ファンサービス?
で、この映画大好きなヒロインが、映画館に見に行く道中で誘拐されそうになってリクが助けるという出会い。このように、アンディ様の出てくるシーンがあまりにお約束で、それもちょっとつまんなかったポイント。いわゆる白馬の王子様的な、意外性のないヒーロー像なのよね。もっと深みがあってもいいのにねー。