Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

砂漠の流れ者/ケーブル・ホーグのバラード

サム・ペキンパー=監督、1970年米国
ジェイソン・ロバーズ、ステラ・スティーヴンス
ワイルド・バンチよりほっこり。サム・ペキンパーさんこんな映画も作れるの?と意外な発見だった。前半ドリフのドタバタコントみたいだったが、最後が意外なほどシリアスで、美しい幕切れ。映像は「ペーパー・ムーン」に似ていた。
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これもテキサスの物語のようだ。砂漠の真ん中で仲間に置き去りにされたケーブル・ホーグは、死にものぐるいで穴を掘り泉を発見。これをもとに給水拠点(のちに宿場町)を1から整備する、というほんとにアメリカ~ンな話。日本ではこの発想はありえない。仲間は怪しげな牧師。最寄りの町で見つけた娼婦ヒルディとケーブルは恋仲になり、ついにヒルディは宿場町に短期滞在してつかの間の同棲をば。ヒルディとの出会い、銀行マンから金を借りるシーンも結構丁寧に描かれている。最後にケーブルを裏切った仲間がやってくるのだが、ここからの展開が意外や意外、ケーブルは怪しげな牧師よりずっと人道的な振る舞いをしていたのは皮肉か。
乗り物が馬(馬車、カウボーイ)から自動車へと急速に変化していることも見逃せない。その哀愁も切り取っていて、ケーブルは、自分の時代は終わったと悟っていたのね。