Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

スープとイデオロギー

ヤン・ヨンヒ=監督、2021年日本(ドキュメンタリー)
コン・ジョンヒ(康静姫、監督のオモニ)、荒井カオル
あまり期待してなかったけど、すごく良かった。ドキュメンタリーはやはり面白い。
監督の夫君である荒井カオル氏が良い。まず自然体。ゆるキャラのようでいて強くたくましい。結婚のあいさつをしに大阪に来た時、汗をかきかきスーツ姿。ヤン監督に「暑いから無理しないで」って言われて着替えたらミッキーTシャツに短パンって、そのセンスが気になる(笑)。国籍の壁も何のその。オモニに一発で気に入られて仲良くなるのが良かった。韓服を着た結婚写真も、涙が出る。そして、スープを飲んだ時の「マシッソヨー」になぜか涙が止まらなくなった。彼のような人が、人類を平和にしていくのだ。
アボジ(1926年生まれ)とオモニ(1930年生まれ)は在日1世。在日本朝鮮人総連合会の幹部(関西支部長)で、毎年ピョンヤンに行くほど。ヤン・ヨンヒさんは1964年大阪市生野区生まれの2世。
オモニが若い。最初に映像に映った時点(2016年)で86歳だったが、70歳か?と思うくらい若い。そして済州四・三事件研究所の方々からのインタビューを終えて、急速に認知症が進んでいくオモニ。一つのやり切った感を得て、だんだん可愛くなっていくオモニ。
オモニが話す済州四・三事件(1948年)、凄かった。これで韓国政府への不信が決定づけられ、アボジとオモニは北朝鮮への期待を膨らませ、3人の息子を送り込んだこと。このことを知った時のヤン・ヨンヒさんの涙よ。私も画面に向かって号泣してました。

良いサイトを見つけたのでリンクしておく。
cinemore.jp
www.asahi-family.com