Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

ダーク・ウォーターズ 巨大企業が恐れた男

トッド・ヘインズ=監督、2019年米国
マーク・ラファロアン・ハサウェイティム・ロビンス
1990年代。DuPontの開発したフッ素系有機化合物の有害性がようやく明るみに出てきた頃(または、PFOSとかPFOAとか、全然知られていなかった頃)の、一人の弁護士の奮闘を描く。

化学物質汚染の告発を描いたものとしては「エリン・ブロコビッチ」がある。それと、映画の構造
「大手化学会社に事実をもみ消される、か弱い市民として戦う弁護士=正義の象徴」
が酷似だったので、一定の作法があるのかもしれない。確かに、わかりやすいです。弁護士が段々仲間を増やしヒーローとして巨悪を倒すという構造が、アメリカ社会では好まれるわけだし。
しかし、改めて思うのは、権力側は事実を簡単に握りつぶせるし、裁判でも勝つのが簡単。非対称すぎる。正義とは?アメリカは自由と正義の国ではなかったのか?ということ。これはフランシス・コッポラの「タッカー」を見た中学生のときからずっと思っていること。アメリカという国を理解するのは、まだまだ先になりそうである。
※仕事用にパンフレットを珍しく買ったので、何かあれば追記の予定。