Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

原点としての水俣病 宇井純セレクション1

宇井純=著、新泉社
宇井先生の本は二十歳のころ初めて読み、それからも折に触れて。私の職業選択の指針になっているのは宇井先生の「公害原論」と、高橋裕先生の「都市と水」、米本昌平さんの「地球環境問題とは何か」。
現実を見ながら、最善の妥協をしながら、問題を解決するという仕事に憧れて土木の世界へ。それは、「人が一生懸命生きているのを前に理想論だけじゃだめ(その間に人が死んじゃったら意味ないでしょ?)、苦しくても小さな工夫を積み重ねること、一方で理想は高く持って明るく毎日を過ごすこと」という花森安治の姿勢が大きく影響している、とこの歳になって思うようになった。上手い妥協の方法を研究する、それがなんとなく土木の仕事で重要なんじゃないかと思う。今は直接土木業界に身を置いていないけれど、現実の問題を解決するために科学的根拠を集め、使う仕事をしている私は、結構やりたいことをやれているような気がする。