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タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

ダイオキシンは怖くないという嘘

長山 淳哉 (著) , 緑風出版

この本は,さらっと読むと「ダイオキシン問題ではまだわからないことがたくさんある,ということがわかったんだな」と納得してお終い,なのだが.
科学者たちの本当の頭の良さみたいなのが透けて見えて,ある意味とても怖い本と思った.
メディアでの発言は気をつけようとか,インターネット上で意見を表明することで名誉毀損などの問題が生じるから気をつけようとか.この辺は揚げ足取りとみなせる部分もあるので,まあどうでもいいかも知れない.
大事なことはあるべき姿(理想)を描き,それに向かって合理的に自分の仕事を進めているかだ.この本で批判している側(著者の先生方)と批判されている側(N先生,Y先生)とでは,能力差が明らかだ.後者のほうが気高い理念を持ちかつ合理的な仕事の進め方をしている.論理も筋だっている.それに対して,前者の方々の考えの未熟さが際立っている.青い正義感だけを振りかざして全体のバランスを欠いている,という印象はぬぐえない.もちろん正義感を振りかざしたい気持ちは分かるが,環境問題はほど良いバランス感覚なしには解決できないのだ.
この本のテキストを題材にして,もう少し議論の勉強をしてみたい,「良い反論」,「悪い反論」みたいな.具体的な箇所を引き写して検証する予定.(寒っ!)