Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

エビデンスベーストメディスンが、なぜ根付かないのか

一緒に研究している医師のT先生に聞いてみた。
答え「それは、医学で治せる病気が極めて限られていることに尽きるのではないでしょうか。」
原因やメカニズムがわかっているのは、感染症とがん。それくらいしか人類は病気を克服できていない。
糖尿病や高血圧は、根本治療の方法が未だわからない、対処療法しかない。医者は目の前の患者を救いたい、そのモチベーションでやってきたし、これからもそうだ。個人に合わせて、経験的に最良と思われる手を打ち続けるしかない。それなのに○○について統計的に有意に治癒確率が高いほうを選ぶ、それが、医療従事者の感覚とかけ離れているからではないかと。
このコメントが深すぎて、しばし考えこんだ。私はエビデンスベーストこそ正義(←ここまで大袈裟ではないが)、と思い込んでいたので、考えなおさないといけないかもしれない。