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タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

「学力」の経済学

中室牧子=著、ディスカバートゥエンティーワン
教育アドバイザーらしき仕事を受けている、夫が買ってきてたので読んでみた。とても分かりやすい。
「ランダム化比較試験」によって(有意差があることが)確かめられた結果から結論を導き出している。いやぁ、やっている実験は身も蓋もないものばかりなんだけど、効果ってこうやって示していかないと。
納得したのは、日本では「教育は平等に」という理念のもと、教育現場での実験ができないということ。た〜しかに。先生の学歴が高い群と、学歴が低い群で生徒の成績を比較する、という実験ができない。倫理的問題ならば解決できると著者は説く。現場に”モルモットアレルギー”とかあるのかもしれない。モルモットと言えば、国立大学教育学部附属の小中学校の児童生徒さんは、もろにモルモット(って昔から言われていた)。だけど、対照群がないから科学的エビデンスを積み上げていることにならない。もったいない。せっかく研究授業するんだから対照群設けなさいって話よね。
あと、英国に”Centre for Evidence-based Medicine”という組織があることも知った。それだけでCenterができるんだ・・・