Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

バイオ燃料,得するのは誰?

バイオ燃料に代替したときのリスクとベネフィットを考える機会が多く,資料が机の上に山積みの毎日(本業も終わらないのに次々と読むべき資料が増えて本当はため息なのだが,それなりに面白い)・・・・

直感で思ったのだけれど,ガソリンエンジンの代わりにバイオエタノールをもっと増やそうとする流れは,かなり政治的なのではないか.地球温暖化防止は,ただの看板に過ぎないのではないか?

バイオエタノール生産増で誰が得するのだろう?「これによって得する人は誰?」という視点で見ていくと案外真実にたどり着きやすい,ということを最近学習.「チャングムの誓い」の見すぎか?(苦笑)

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以前,植物のような細菌を用いてCO2を固定化しながら資源(有価物)を生産するという研究をしていた経験から思うのは,「カーボンニュートラル」って相当な技術革新がないと無理ということだ.エタノールを生産するには糖をたくさん生産する植物を植えなければならないわけでしょ?(たしかC4植物(CAM植物)がそれに近いのだったかな?)そういう植物はおいしそう(!)だから,そういうのが燃料になってしまうのって個人的にはいかがなものかと思いますけど.「CO2高固定化植物」とかが遺伝子組み換えでできればかなりいけるか?

いや,植物栽培面積あたりのCO2固定量が問題なのではない.植物由来の糖からエタノールを作る過程でもCO2は発生する.その全ライフサイクルを考慮して,既存のプロセスに太刀打ちできているかが問題なのだ.それを検証した論文をたくさん読もう.