三菱電機の検査結果偽装で、「安全性に影響はない」と企業側からコメントが出ている。何をもってそう言っているのか知りたい。
抜き取り検査をしたくらいで、安全性は向上しない、という意味なのかな。それなら論理的には正しい。
設計段階で安全性がクリアされててその通り作っているから(不良品をすべての段階ではじいているから)、最終検査は意味ないよね、とわかっていた。とすれば、30年もルール違反しないで、検査の要求事項を変更するよう、国に交渉すればよいのに・・・と思ってしまう私は素人?!
検査結果偽装に専用プログラム 三菱電機、組織的不正か
朝日新聞デジタル
柴田秀並、伊藤嘉孝 2021年7月1日 5時00分
https://digital.asahi.com/articles/ASP6Z73XYP6ZUTIL01N.html
(会員限定記事なので一部だけ抜粋)
「三菱電機が鉄道車両用の空調設備の性能検査で偽装」
「問題が発覚した性能検査は、出荷直前に同社側で実施する最終の検査という位置付け。防水や電圧関係の性能の不備により異常な高熱や発火、延焼などが起こらないよう確認することなどが目的だ。この検査成績書のデータが基準を満たせば「合格」として出荷される。」
三菱電機、不正検査 鉄道車両用空調、30年以上か
2021年06月30日09時48分
https://www.jiji.com/jc/article?k=2021063000267&g=eco
(こちらは全文)
三菱電機が鉄道車両向け空調装置で、出荷前の検査を不正に行っていたことが30日までに分かった。架空のデータを用いて適正な検査を実施したように装うといった行為を1980年代から30年以上続けていた疑いがある。同社は不適切な検査を認めた上で、「安全性に影響はない」と説明している。
不適切検査は、今月中旬の社内調査で発覚。三菱電機によると、長崎製作所(長崎県時津町)が製造する空調装置で、顧客から指示された検査方法を守らず、一部の検査を怠ったり、架空のデータを用いたりしていた。既に対象製品の出荷を停止し、調査を進めている。納入先の鉄道事業者へも説明を始めたという。
鉄道用空調装置は、夏季の冷房から冬季の暖房まで、車内環境を快適に保つ設備。三菱電機は国内市場でトップクラスのシェアを持ち、国内の新幹線、特急電車、通勤電車などに広く採用されている。海外展開も積極的に進めている。
三菱電機では、2019年にエレベーターの部品に国土交通省の認定と異なる材料を使用していたことが発覚。20年には、欧州連合(EU)向けの車載用ラジオ受信機をEU規格に不適合のまま出荷していたことも判明。品質管理を軽視する不正行為が相次いでいる。
三菱電機は今回の不正検査について、「現在、調査を進めている。速やかに対応を進め、内容を公表する予定」とコメントしている。
2017年9月、日産が完成品検査に未資格者を使っていたことが明らかになった。
hourei2.hatenablog.com
今となっては後付けの回顧記事みたいなものしか見当たらない。こちらの方が検査は曲がりなりにも行っていたので悪質性は低そう。
面白いのはこちらも、「安全性に問題はない」と企業側からコメントが出ていることで。検査は形だけ、って現場が良くわかっていたことの証左なのかしら。
https://bestcarweb.jp/news/business/2032?prd=2
「新車を大量生産するメーカーは、自社の「完成検査」で保安基準を満たすと国交省に認められた「型式」どおりに製造したかをチェックすれば、車検を受けたとみなされ、その証明により路上を走る車両として認められる。」
「西川社長が「安全性には問題がない」と主張しているのは、補助検査員でも一定の技能知識に習熟しており、完成検査に必要な項目は、作業工程の各段階でも不具合はないか常に厳しくチェックを積み重ねているという理由からだ。」