Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

死ぬほどややこしい中国の人名表記 ― なぜ「サモ・ハン・キンポー」は間違いなのか

久しぶりに超面白いと思ったWEBサイト。
http://blog.livedoor.jp/tkmt0416/archives/845057.html
首を100万回くらい縦に振りつつ、一字一句読んでしまったぜ。

中華圏の人名表記には、中国内の方言の違い、国や言語圏をまたぐ人の移動、発音の表現、英語名の表記、各国の通例の違いなどといった要素が縦横に絡んでおり、それに伴う表現ゆれはどうしても起きてしまうのです。これらは、明らかな読み間違いというケースを除けばどれが正しくてどれが間違っているという問題ではなく、また日本だけでなく英語圏でも同じような表記ゆれは起こっています。インターネットではときどき、中華圏の人名表記の統一の是非を問う議論が起こりますが、(中略)人名くらい清濁併せ呑めばいいんじゃないでしょうか。

全く同感。
自分の体験も、思い出しちゃったのでつらつら書いてみる。
私は観た映画をデータベース化して、監督名、俳優名、映画制作会社名、などで検索したり、ソートかけて楽しむのが密かな趣味だ。で、1990年代後半、香港映画に一番ハマっていた時に、香港の俳優さんの名前の入力がメチャクチャ難しかったことを思い出した。同じ人は、同じ表記で入力していないと、検索で引っかかってこない。だからルール化しておくことが重要なんだけど、カタカナ表記は揺らぐし、そもそもぱっと見て誰を指すかわからない。
悩んで悩んで漢字名で入力にすることにした。漢字は、私には最もしっくり来る表記で、何故かと言うと、字面からその方の顔が浮かんできて、一度で名前が覚えられるから。たとえば、マギー・チャンは「張曼玉」と書く。曼珠沙華や玉のような美しい女性がイメージできるものね。実際、マギー・チャンはメッチャ綺麗だし。
しかし、当時インターネットがないから、正しい漢字名がわからない。エンドロールは俳優名アルファベット表記(香港映画にはよくある)だし、二番館だったらパンフレットない。漢字を同定しても、当時PCのフォントには大きな限界があって、外字は入力できない、とかの問題もあった。いっそのことカタカナで入れてしまえ!と発狂しそうになること度々。
ただ、漢字でも、日本語読みだとそれっぽくなくて。「張曼玉」をたとえば「ちょう・まんぎょく」って言ってもハァ?ってその人じゃなくなっちゃう。だから、漢字の広東語読みをマスターしたいと強く思った。広東語のピンイン(←ローマ字表記みたいなもの?)を一つ一つ確認していくのはとても面白くて、一時期かなり熱心に広東語を勉強したんだけど、、しゃべるのはハードル高かったなあ。チョウ・ユンファ(周潤發)はChow Yun-fat、最後のtを飲み込むように発音するのだが、いくら練習しても上手く発音できなかった。
それにしても、中国語圏の発音をローマナイズするのは難しい。私の友人の台湾人、白(パク)さんは言っていた。英語で論文を書くとき、苗字をどう綴るかにすごく悩むんだって。台湾式ならPai、中国本土ではBaiという表記。アルファベット索引では全然違うところに出てくるじゃん!どーすりゃいいんだ!って。同じ北京語だってこの問題があるのに、広東語となると、、、オーマイガーってなるよね。
というわけで、中国語は、本当に奥が深いよ!