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タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

ゼロじゃないけどゼロと表示する

日経ビジネスオンライン記事.2012年10月26日(金)なので,ちょっと古いが,
カロリーゼロに違和感あり 商品の栄養表示に騙されない!
は面白い.ゼロって,魔物である.ゼロなら安心で,どんなに小さくても0.0001ではダメなのである.売るためには,消費者心理をたくみに突いた表示が重要,と.

知らなかったのだが,食品に○○を含まない旨の「ゼロ」という表示は,そのように書いて良い基準が決まっている.食品100gあたり,熱量なら5kcal以下,脂質は0.5g以下,糖質は0.5g以下,ナトリウムは5mg以下.

「無」、「ゼロ」、「ノン」という表現は、我々の感覚では「なにもない」状態、つまり「0」の状態だと日常生活では認識しているからだ。しかし厚労省の感覚ではそうではない。カロリーであれば「4.9Kcal」は「ゼロ」と表示できる。“4.9=0”なのだ。

丹念に表示を見ていくと、それぞれの表示には注釈として「栄養表示基準による」や「健康増進法による」などと表示してある場合が多い。つまり、それら注釈は「0」ではないという言い訳に過ぎない。

↑でも,こんなの普通見ないよね.
これはゼロベクレルがゼロではないことにも通じる話で,検出下限値が低い方法で測定して,数値でセシウム濃度を表示すると,たとえば2.5Bq/kgと表示すると,とたんに売れなくなるのだとか.検出下限値10Bq/kgの方法だったら「不検出」になり,売れる.食品の基準値は一般食品で100Bq/kgだから,どちらも問題ないと言えるし,はっきり数字がわかっている方が安心なはずだが,直感はそう受け取らない.ちなみに後者だと,最尤法で推定した期待値が大体5Bq/kg・・・なんか笑っちゃう.