Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

研究室同窓会でフランス人留学生と再会

先日,同窓会があって母校の研究室に10年ぶりに行った.要は飲み会だったわけだが,博士課程の在籍が2年半くらい被ってたフランス人留学生Aさん(女性)と再会できたことが何より嬉しかった.
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彼女とはすごく仲良くしてて,私がフランス語を習い(当時,彼女は恵比寿の○OVAでフランス語講師のバイトをしていた),彼女が私に日本語を教えるという,謎のバーター取引が成立していた.そして,将来について日々語っていた,あの時期特有の「学位が取れないんじゃないか」という不安と闘いながら・・・(もちろん,日常会話は英語で).
Aさんの体が不調の時は,病院(学内にあった附属病院.学生は治療費も薬代も無料だったv)にも通訳としてついていってあげて,症状を説明したりもした.実際,Aさんは日本語と英語で十分コミュニケーションできたから,私は道案内みたいなもんだったけど彼女から「安心だった!」ととても喜んでもらえた.下宿にも遊びに行って,手作りのフォン・ド・ヴォーとガトー・ショコラをごちそうになり,同居していたパートナーのBくん(彼もフランス人)を紹介してもらったり.
彼女は,3年で無事学位を取得しフランスに帰国した.別れの時は私も涙涙だった.その後,風の便りに就職も決まったと聞いた.
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そんな彼女が,今日本で1年間仕事しているという,なぜでしょう?
なんと,彼女は”フランスの国策会社”で”世界で唯一放射性物質で汚染された水を浄化できる技術を持った会社”(←社名はバレバレですww)に就職していたのだった!そう,まさに原発事故の事後処理のために「大好きだった日本に来るとは思わなかった!」とは彼女の弁.
Aさんはその会社のマネージャー職で,女性は1F(東京電力福島第一原発)に入らせない会社の方針から(体力面からの優遇措置らしい),福島には行かず東京勤務となる.東電の要望を聞いて予算をすりあわせながら(?)浄化プログラムを作成すること,そしてそのプログラムを現場作業員(もちろん全員フランスから派遣されてきた技術者!)に伝えることが彼女のミッションだったそうな.
マネージャー職も,1Fの現場も,それはそれは多忙を極めていたそうだ.
彼女の場合,去年の3月から5月までにフランスと日本を往復すること3回,昨年の6月から1年間は日本で借り上げ社宅(=アパート)住まい.仕事の特殊性から「プレッシャーで夜も寝られない日が続いた」って.
一方,技術者たちは毎日5時間睡眠,3週間ぶっ通しで1Fで働いた後,フランスに帰る.その部隊はもう福島に来ることはなくて同社のべつの部隊が福島に来る,という体制を採っている.放射線の累積線量が心配なのではなくて,過酷な労働を同じ人に課してはいけないというフランス人の考え方らしい.
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といういきさつがあり,彼女が1年間の日本勤務を終えて帰国する直前に,研究室の同窓会に顔を出してくれたというわけである.
Aさんはふと,私に「Bくんって覚えてる?」と聞いた.
私「ええ,もちろん覚えてますとも.あの,一緒に暮らしてた・・・」
A「今日,Bくんに『Iさん(←私の旧姓)に,研究室の同窓会で会うんだよ』,って言ったら『よろしく〜』だって〜」
私「へ?(そっか,まだ連絡取ってるんだ.チャットでもしたのかな?)」
私は,AさんとBくんはとっくに別れてたと思っていた.だって,あれから10年以上も経ってるし,二人してライフスタイルも相当変わっただろう.たまたま今日,フランスにいる彼に連絡したのかなと・・・
A「今一緒に日本で住んでるの.彼は,私が日本に1年間行くことになって,自分もフランスの会社を休職して日本の大学の修士課程に入ったんだよ.今,彼は日本文学を専攻してる.」
え?!これには驚いた.まず,事実婚の国のフランスで,こんなに男女の結びつきが強くてしっかりしたものだったなんて.Aさんがフランスに帰国して,後を追ってBくんも帰国して,運良くフランスで一緒に住んで,そして今,日本にも一緒に来てる・・・すごくない?!
それとフランスの会社の柔軟さ.パートナーの都合で休職してプチ移住だよ?!,しかも男性のほうが・・・.私とウチの夫のライフスタイルも相当柔軟だと思ってたけど,これには負けました.
Aさんのチューターだった後輩と「AさんとBくんの仲が今も続いてるって感動!なんてドラマチックなの!」「マジ,いい話だよね!」って祝杯をあげた.
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Aさんは言っていた.「私はラッキーだった,フランスでも,やっぱり女性が仕事を続けるのは凄く難しいから・・・」
わかる!本当にわかる!パートナーとの距離と時間,人生設計・・・いっぱい考えることがあるけど,私も好きな仕事ができていて,凄くラッキーで,感謝感謝だなあ.改めて気付かされてくれたAさんに感謝.また語り合おうよ!とりあえずフランスに遊びに行くからその時はヨロシクね,Aさん.