Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

Kuch Kuch Hota Hai

DVDで超有名インド映画Kuch Kuch Hota Hai(KKHH)を5回くらい観てしまった。娘の執着心は怖い。朝起きて、「チクチクホタヘみる。」夕方家に帰ってきて、「チクチクホタヘみる。」というわけで冒頭のシーンなどは20回くらい観ている。
いろいろ面白い。KalHoNaaHoもそうだったが、英語が聞こえてくる量が多いので、日本人には敷居が低く、理解しやすい部類であろう。
・インドの教育(小学校編)。何かの発表会にて。ステージの上に上がり、その場でくじ引きで選んだ題目に沿って、1分間で即興のスピーチをする(参観日という雰囲気で,父母が会場に招待されている!)。8歳だから小2、小3くらいだろう。それがなかなか(映画だからかも)1分で起承転結のある話をする子が出てくる。実際はともかく、そういうのがあるというのがすごい。鍛え方が違うなあと非常に感心した。そういう教育を受けてきた人々と公開の場で議論しても、私は勝てる自信がない。言語も、英語とヒンディー語が完全に入り混じり、両方を時と場合によって使い分ける(先生も生徒も)。日本は太刀打ちできないね。ちなみにインド英語でNo1は「ナンバルワン」。こういう英語も日本の大学入試の英語で、ヒアリングで聞かせたほうがよいと思う。アメリカ人が話す英語だけが英語ではない。
・インドの教育(College編)。こっちは、みんな浮かれポンチばっかりのCollege(短大?Universityの前に行くらしい。)で、インドの将来は大丈夫か?と心配になる。小学校とは大違い(笑)。まず、風紀の乱れと服装。アメリカンなハイスクールもびっくりの男女交際の自由さ。女生徒の服装のきわどさ、スカートの短さなど、ヒンズー教の人なら受け入れるかもしれないが、イスラム教の人はこの映画を観て怒り出すことだろう。それにしても、インド女性は胸が大きい。女性の私ですら目のやり場に困ってしまった。実際、ラニ・ムケルジーのような美人が超セクシー服を着て学校に来ると、誰だってほとんど勉強にならないであろう。現実のcollegeはこうでないことを祈る。
・カジョールとシャールク・カーン(SRK)が対決するバスケットボールの稚拙さ。カジョールのドリブルはほとんど鞠つきである。なのにそれをカットできないSRKって、よっぽどだめなんじゃないか。そう思って指を差して笑ってしまった。
・SRKはどんなシーンのときもライトが当たっていて、髪の毛の1本1本がきらきらしているのがウケる。そして、髪の毛がなぜか風になびいてお目目もキラキラ状態。老婆心ながらSRKはスポーツばかりしていて、勉強はいつするんだと心配した。あ、でも「エクスクゼモワ」(フランス語のExcuse me!)とかカジョールに冗談で言っていたのでフランス語は履修しているらしい。
・前半最後に、カジョールとSRKは駅で別れてしまう。不覚にもこのシーンを何回観ても泣いてしまう。オードリー・ヘップバーンシャルル・ボワイエが「昼下がりの情事」のラストで見せたのもこういう感じだった。それとアングルも似ている。パクリか?ただし、50年代のフランスと90年代のインドでは、列車のスピードがインドのほうが遅い!と勝手に比較。インドの列車は本当に遅いのです。。。
・後半は地味。だいたい、カジョールがサリーを着てしまうとあの輝きが失われる。カジョールはジャージでなくちゃ。それとも、結婚が決まった女性は(後半ではサルマン・カーンとの婚約が内定している!)元気がなくなってしまうという暗示なのでしょうか?まあ、初恋の人じゃないから、という設定なんだけど、それにしてもカジョール元気なさすぎ。
・・・・というわけで、かなり奥が深い、KKHH。