Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

スタンリーのお弁当箱

アモール・グプテ=監督,2011年インド
ムンバイの小学校が舞台.小学4年生の男子クラスのお弁当をめぐって食いしん坊の男先生との小さなバトルあり,憧れの女先生を慕う気持ちありのほのぼの映画であった.
ストーリーは辻褄あわなくて,男先生が激しく理不尽で「こんな仕打ちしたら即刻クビだろ〜」という.メッチャクチャなんだけど・・・・インドのお弁当が美味しそうの一言に尽きる.ハッピーエンドも無理矢理感がすごいが,とにかくハッピー感は全体に溢れている.そして,お弁当を持って来られないスタンリーくんが見栄を張るあたりも男気を感じて泣けた(かっわいいんだよ,勿論).アマンくんにアビシェークくん他,皆みんな協力してスタンリーにお昼を食べさせようとして,男子の団結力はすごいね.
例によって全てを食い入るように観た.ヒンディー語も耳をかっぽじって聞いた.インドの小学生って,そうそうこんな感じ!ムンバイなどの都市部ではみな制服を着て学校に通う.一見どの子の家が貧しいということは分からないのだが,細部に差が現れる(制服の衿が擦り切れてるかとか).ただ,携帯電話も持ってて,恰幅が良くて,制服のワイシャツもパリっとアイロンがかかっているアマンくんは,お金持ちの子弟というのはすぐわかる.アマンくんのお弁当は豪華四段!そして放課後,クラス全員をサッカーに誘い,その時振る舞うターリー(インドの定食.家の使用人がサッカー場に持ってきたと思われる)もまたすんごいの.
学校は公立校みたいだが,授業は基本的に英語,休み時間はヒンディー語というバイリンガルの様子も面白かった.生徒たちもごく自然に使い分けていて,先生も英語モードとヒンディー語モードがある(教員室での会話はヒンディー語なんだけど,校長先生を交えた職員会議は英語という・・・ある意味わかりやすい).
あと,インド人は謝らない!!すみません,の「マーフカルナ」は理不尽な仕打ちをして学校を去っていく男先生が,本当に反省した時ただ一度だけしか言わなかった.多分,日本人が謝りすぎるんだよ.