Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

エンドロールのつづき

パン・ナリン=監督、2021年インド・フランス
バヴィン・ラバリ
製作国にフランスが入っているせいか、インド映画色は薄い。突然、アート調になる。う~ん、最近のインド映画も侮りがたし。もちろん、決してインド映画は単純なのがいいとは思っていないのだが。
ニュー・シネマパラダイスのように、映写技師に連れられて映写室には入るものの、流れは全く違う。父親の理解をようやく得るという意味では、「ボヘミアンラプソディー」に近い仕立てになっていて、父からの自立物語、という説明の方がしっくりくるかな。
グジャラートの子どもたちの野生っぷりは良かったな。水の豊富な地域らしく、湖で泳いだり水浴びをしたりの描写は面白い。近所に小学校がないせいか、毎日(?)鉄道で隣の駅の学校に通うのも良い。
ということで、インドの鉄道が何度も出てくるのだが、これがエモい。Kuch Kuch Hoo Ta Haiでも見た、えらくゴツい割にはノロノロ走るインドの列車が大好きなものでテンション上がってしまった。駅名表記がグジャラート語ヒンディー語、英語。これも、凄くエモい。電化を理由とした線路拡幅工事のため、線路わきで営業していた主人公の父親が立ち退きを迫られるというシーンがある。
いや、あのインド鉄道がそんなに早く工事開始しますかね。。。などというツッコミは野暮で、父親もまた、自分の人生に迷っているのが良かった。
それにしても、インドの格差がすさまじい。主人公たちの住む村、Chalalaの田舎っぷりと、ラージコートの都会っぷり。この違いはなに。。。