Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

ボヘミアン・ラプソディー

ブライアン・シンガー=監督,2018年米国
フレディの歌に迫力があり,Queenの曲も,曲作りのプロセスも迫力があり,人間ドラマとしても面白い.レコード会社との駆け引き,LIVE AIDに出演するか否かの話し合い.交渉術についても勉強になった.LIVE AIDはあんなステージあったら私も必ず参戦します,という熱さだ.
ということで,「Queenの曲,何か知ってる?」と言われて,「いや,何も」と答えるレベルでも,めちゃくちゃ面白かった.曲も確かに,耳にすれば「あ〜,聞いたことある」というのが何曲かあった.我々の世代は,Queenはさすがに「ちょっと古いな」と思ってたのではないか.私はデビッド・ボウイとか(最初BOOWYと聞いたときデビッド・ボウイかと思ったくらいだから)TOTOをちょっと聴いた.同級生はエアロスミスU2にハマってた.
さて,面白かったのはフレディ・マーキュリーの家族.
ペルシャ系インド人でアフリカにわたり,再びインド(グジャラート)に戻りというフレディの父.そこから苦労して”本国”英国に移住.グジャラートは禁酒州だから,フレディがガッツンガッツン酒を飲むのは到底受け入れがたかったんじゃないかと.新聞読んでてQueenの記事に注目してるの隠して「クリケット・・・」とかね.こういう父ちゃんインドの知識階級にたくさんいそう!そんなお父様との和解シーンが泣けた.
お母様は最初からフレディを応援してたのも分かった.別れ際に”I love you, beta"と言ってるのが聞こえた.betaはヒンディー語の「息子」で英語ならmy sonになるところ.でもグジャラート語じゃなくてヒンディー語なのはなんで?分かる人教えてください.
「パキ野郎」は一つのキーワードで,あの当時パキスタンが英国から独立したことに関係があって,知名度が(インドより)あったのか,と推察.しかし,何度も出てくる「ビスミンラー」,70年代UKでは誰も知らない言葉だったのか?これも不思議な点.ムスリムの友達が多いと必ず覚える単語だから有名なのに.意味は「いただきます」に似ていて,アラーに感謝して(ご飯を食べます),ってことだけど.フレディも,出自を隠しつつこういうところにアイデンティティが滲み出るのは,興味深いよな〜.
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・俳優たち面白かったしカッコよかった.映画のフレディより本物のフレディの方がカッコイイとは思ったけど,あれだけそっくりな人(ほかの3人もね)良く見つけてくる,と感心.
・イギリス英語,アメリカ英語と違うのも面白い.moneyをモニーと発音することを発見.
LIVE AIDは"We are the World"をUSA for Africaが歌ったことから何となく知ってた.あんな催しだったのか.