Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

舞妓さんちのまかないさん

是枝裕和さん総監修のNetflixドラマ。
若草物語阿修羅のごとく?)、みたいなわちゃわちゃした感じのなか、中学を卒業したばかりの女性2人が舞妓さん(すみれ)と、屋形(舞妓が生活する場所、兼事務所)のまかないさん(キヨ)として成長していく物語。
飯島奈美さんのコーディネートだけあって、料理シーンと食べるシーンが見もの。女性を美しく描くのが得意な是枝裕和さんだから、全体に漂う成瀬巳喜男っぽさが半端ない。
ただ、なんとなく、舞妓さんという職業に馴染みがないためか(というか、私自身、偏見があるのかもしれないが)、どうも、女性の外見の美で男性を魅了するというビジネスモデルにすんなり入り込めない。お座敷のお客さんが女性ばっかりだったら、そんなこと感じないんだと思うんだけど、どうしてもお金持っているのは男性の方が多いからね。上下を感じてしまってセクハラというワードがちらついてしまう。
その点をケアするかのように、脇役陣が凄まじく良い。まず、リリー・フランキー。舞妓見習いから舞妓になろうとしているすみれや、天真爛漫なまかないのキヨを一人の職業人としてリスペクトしつつ暖かく見守るバーテンダー、という役柄で、中年男性と女子高生というありがちな目線ではない。次に、すみれの先輩舞妓(百子)を演じる橋本愛。目ヂカラがあって無条件にカッコいい。この人、職業はモデルだよね。ちょっと下心ある小者な男性を全く寄せ付けない、超越したレベルの舞妓さん。強い女性が舞妓になるならありだな。
屋形の管理職、梓(梓さんお母さんと呼ばれる)は常盤貴子が演じているんだが、隙がありまくりで、、その梓を好きな建築士(演:井浦新)は梓と好い仲なのに一向にアプローチできなくてムズムズする。梓の娘の涼子(蒔田彩珠)のツンとした感じも不思議。引退した、しかし屋形に舞い戻った元・舞妓の吉乃(松岡茉優)は、最後までイタかった。是枝監督の趣味なのかもしれないけど、この話には余計だったかな。最後に大トリ、屋形のトップ、千代(演:松坂慶子)はヒョンビンの大ファンという設定。なに!