山本薩夫=監督、1979年
大竹しのぶ、地井武男、原田美枝子、古手川祐子、三國連太郎
こういう映画が独立系映画会社で作成されていたのは、やはりこの時代、業界全体として力があったということか。
冒頭から切ない雪中行軍で恐ろしさが暗示される。「だちかんぞ」という言葉が子供の頃流行った記憶があるが、ここから来ていたのだろうか。
主人公の政井みね(大竹しのぶ)、1902(明治35)年に13歳で製糸工場の女工となり、1910年結核により死。20歳。人生のなんと短きことか。
「デニール検査」で絹糸の品質を保証する。
女工たちのルートは、飛騨古川、飛騨高山から岐阜・長野県境にある野麦峠を越えて長野県の岡谷、諏訪にある製糸工場へ、というものがメインだったようだ。乗鞍岳の南部を通り、徒歩100km、全行程3泊4日。春の良い時期だったとしても、一家のために稼いでやる!という気概がなければとても歩けなかっただろうな。
途中一泊する山小屋にいる、おばばも良かったな。