Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

ベイビー・ブローカー

是枝裕和=監督、2022年韓国(CJ Entertainment)
ソン・ガンホカン・ドンウォンペ・ドゥナ、イ・ジウン、イ・ジュヨン
話も面白かったけど、「この人どこかで観たことある!」という見知った顔の俳優さんが一杯で面白かった。「リンダ・リンダ・リンダ」「空気人形」で観ていたペ・ドゥナ、しっとりと年を取ったね~。イ・ジュヨンは「野球少女」「梨泰院クラス」だし、「梨泰院クラス」のフロアスタッフやってたヤクザ(リュ・ギョンス)は、この映画でもやはりチンピラ。遊園地で赤ちゃんを受け取ろうとして失敗に終わる夫婦の妻役、キム・セビョクもどこかで観たことある!とおもったら「はちどり」の漢文の先生だった。乳児園のオンマを演じていた女性はキム・ソニョン、「愛の不時着」で北朝鮮のオンマ、ナ・ウォルスク隊長役だった。
赤ちゃんを捨てちゃう若い女性(売春婦)役のイ・ジウンは松岡茉優さんに似ていて、ああ、是枝裕和監督の好みなのだと。
で、日本語の是枝作品よりはイマイチ、というか、やっぱり痒いところに手が届かない感じはした(偉そうにすみません)。日本語という母語で是枝作品に触れられることに、本当に感謝なんだな、と思った。
赤ちゃんが生まれたばかりなのにめっちゃ大きくて。この辺やっぱ雑なんですよね。でも、「え?これで1ヶ月?」「ええ、アメリカ製のミルク飲んでるから成長が早くて」というくだりは爆笑してしまった。

ウルチンという地方まで赤ちゃんを「売りに行く」。釜山からは150kmくらい離れているのか。そこから鉄道でソウルへ、とロード・ムービーだった。
自首をさせるまでの流れがちょっとわかりにくくて、あと、ラストね。なぜソン・ガンホ演じる主人公のサンヒョンはグループから脱退したのか。多くは語られず。このエンディングはドライブ・マイ・カーっぽくて、最近の流れかな。