Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

ブエナ・ビスタ・ソシアル・クラブ

ヴィム・ヴェンダース=監督、1999年ドイツ・フランス・アメリカ・キューバ
ライ・クーダーイブライム・フェレール、ルーベン・ゴンザレス、コンパイ・セグンド
25年ぶり2回め。音楽の臨場感を求めて、是非劇場で鑑賞したかった作品。
当時、南米から帰ってきたばかりで自分自身も興奮していたせいか、音楽ばっかりでストーリーをよくわかっていなかった。こんな話だったか?スペイン語がわかるとさらに趣深く。音楽が、音楽が、ただただ泣ける。
冒頭とエンディングの曲のタイトルは"Chan Chan"。キューバの哀愁漂うメロディ。ゆったりした踊り。ジルバやタンゴではなく、あの独特な空気。
このバンド、1940年代のキューバに実在した会員制音楽クラブ、というから恐るべし。メンバーの多くは1910年代生まれ、決して平坦ではなかった人生である。酸いも甘いも噛み分けた人生を何周もしているような、もう何回輪廻転生したんですか、という雰囲気よ。
コンパイ・セグンドはJokeと葉巻。カッコいい。人生は女と花とロマンス、と言い切り、50歳年下の奥さん。「もう一人子供が欲しい」とチャレンジ(笑)。
みんなこんな感じのオジイ、オバアなの。カーネギーの拍手が暖かく、カーテンコールでひたすら泣けるのである。
ライ・クーダーの息子(ホアキン・クーダー)もなかなか良し。