Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

炎上CMでよみとくジェンダー論

瀬地山角=著、光文社新書
広告業に係るすべての人が読むべき本。炎上CMのパターンを「性別役割分業(現代にあわない価値観)の押し付け」、「訴求層の見誤り」と2つのポイントに整理したところが分かりやすい。なるほどこういう軸があったのか。
面白いのはソフトバンク(ホワイト家族)のCMの成功。で、下記を読んで思わず「マジか!」と叫んでしまった。。。家族社会学の分野って、定義が自由すぎるwww

もうひとつホワイト家族のCMがよくできていると思うのは、家族というものの定義を軽やかに揺るがしているところです。そもそも家族社会学において「家族」というのはおそろしく定義のやっかいな言葉なのです。共に暮らすこと、食事を共にすること、家計を共有すること、血縁や配偶関係によるなど、さまざまな基準があります。
(中略)
そこで私の専門分野(ジェンダー論や家族社会学)では「その人が家族だと思う範囲が家族」という定義を使うようになりました。

ソフトバンクCM、「人種や種を越えて(注:白戸家のお父さんは犬)家族になれる新しい家族観を描きながら」、私も、いずれこちらが普通になっていくだろうな(うち、元々普通じゃなかったし)、なっていったらいいな、という謎の希望と痛快さを感じたもんな。