Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

労働環境のリスク評価値

(200927の調べもの)労働環境のリスク評価値からMRL(public)を算出している事例。
⇒ATSDRにいくつかありそう。

偶然見つけた水銀の例
https://www.env.go.jp/council/toshin/t07-h1503/mat_02-3.pdf
今後の有害大気汚染物質対策のあり方について(第七次答申)平成15年7月31日 中央環境審議会
別添2-3 水銀に係る健康リスク評価について

米国では、労働環境の許容濃度がありそうな物質が、どうやってminimal risk level (MRL)を出しているかが参考になる

ATSDRの最終章、Appendix
“MINIMAL RISK LEVEL (MRL) WORKSHEET”
で、労働者のデータを一般環境のMRLに変換するときどのような不確実性係数を使っているか、物質ごとに見ることができる

例えば水銀(金属)、吸入
https://www.atsdr.cdc.gov/toxprofiles/tp46.pdf
P. A-3~5
26ug/m3からUF130を適用して公衆のMRL算出に用いている
3×1×10×4.2
3:LOAELからNOAEL
1:種間差(この場合は人データなので1)
10:個体差(労働者⇒一般環境のヒト)
4.2:曝露期間補正(1日8時間・週5日を、24時間・週7日にあてはめ)

https://www.mhlw.go.jp/shingi/2004/08/s0809-1a.html
によれば、作業環境の管理濃度は水銀(蒸気)が25ug/m3。

ベンゼンの例、吸入、慢性(良い例かと思ったけど、ちょっと?)
https://www.atsdr.cdc.gov/toxprofiles/tp3-a.pdf
P. A-8~14あたり
0.1ppmから個体差UF10と曝露期間補正でUFs=42を適用。NOAEL相当濃度のため、NOAELへの外挿のUFは不要。
しかし、0.1ppmという数字は、ベンチマーク用量法から求められたもの(保守的なNOAEL?)。
作業環境の管理濃度1ppmとは乖離。1ppm設定のもとになった疫学調査と元々は同じデータのはず
なので少々説明しづらい。

六価クロムの例
https://www.atsdr.cdc.gov/toxprofiles/tp7-a.pdf
P. A-3~5
水銀同様、手続きは割とわかりやすい。ここでも個体差のUFは10。
ただ、発がん性物質なので、ユニットリスクを求め、リスク管理に用いるリスクレベルに対応する濃度を基準値とするアプローチのほうが有名。
発がん性物質なのはベンゼンも同じだが、ベンゼンはなぜかMRLアプローチのほうがメジャーな気がする。。。)

気になる物質について、いろいろ見てみるのも良いかも。


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労働基準局が実施する検討会等
管理濃度等検討会(H16, 19, 20, 22, 23)
H25-各年度複数回開催

令和2年度化学物質のリスク評価検討会(有害性評価小検討会)2020年7月20日
参考資料2:リスク評価の実施状況(2020年7月時点)[PDF形式:191KB]
https://www.mhlw.go.jp/content/11201000/000650074.pdf


作業環境測定対象物質の管理濃度・許容濃度等一覧 資料番号-6
https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r9852000000w7bi-att/2r9852000000w7nq.pdf
いつの?


第1回管理濃度等検討会平成19年8月8日
資料番号-6 作業環境測定対象物質の管理濃度・許容濃度等一覧
https://www.mhlw.go.jp/shingi/2007/08/dl/s0808-5f.pdf
これは古すぎる
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第1回平成23年度管理濃度等検討会 平成24年1月24日
参考資料1-1 作業環境測定対象物質数及び管理濃度設定物質数の変遷(PDF:114KB)https://www.mhlw.go.jp/stf/shingi/2r98520000020xng-att/2r98520000020xtx.pdf

参考資料2-3 管理濃度と許容濃度等との比較表 2017/12/25現在
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000192204.pdf


平成29年度第1回管理濃度等検討会
参考資料1-2 管理濃度・抑制濃度等一覧(PDF:254KB)
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000165745.pdf
参考資料1-3 金属類に係る管理濃度・許容濃度等一覧(PDF:176KB)
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000165746.pdf
参考資料1-7 マンガン及びマンガン化合物の新たな測定法の検討結果報告書(PDF:769KB)
https://www.mhlw.go.jp/file/05-Shingikai-11201000-Roudoukijunkyoku-Soumuka/0000165747.pdf