Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

はちどり

キム・ボラ=監督、2018年韓国
内容も雰囲気も、こういう映画が見たかった。コロナ禍のもと、映画を映画館で観るのは本当に贅沢になってしまった。
舞台は1994年の韓国。私が初めて韓国(ソウル)に行ったのは2009年で、もうその時は完全に先進国だった。1994年は、日本の1970年代だよ。
あまりに風景がレトロで、あと25年で現在のネット大国になるとは全く思えない。
1994年10月21日、聖水(ソンス)大橋の崩落
同月、朝鮮民主主義人民共和国金日成主席が死去。金正日時代へ突入。おばちゃんたちが「戦争が始まるんじゃないかしら」と騒ぐ。この感覚、日本人にはわからないよね。
なんだろうな、14歳の主人公、ウニの、身の置き所がなくて、恋人ともうまくいかなくてコロコロ変えてみたり(恋人は男だったり後輩女子だったり)、カッコつけてタバコ口にしてみたり、ノレバン行ってみたり、ディスコ行ってみたり、トランポリンで跳ねてみたり。この辺が居心地悪さを表現しているのだけれど。
なんというか、現実はもっとひどい、家庭内暴力ひどい。今見るとコンプライアンス違反、人権侵害。当時はあれが当たり前だったの?それも日本の1960年代みたい。ウニの兄は生徒会長になるために、賄賂?ウニの姉は高校受験に失敗して、いわゆる不良街道まっしぐら。でも彼氏がいるだけで日本の不良とはちょっと違うんだけどね。
漢文の先生は不思議ちゃんで(タバコ吸ってる)、主人公よりももっともっと意味が分からない。漢文の先生のお母さまが、良かったなぁ。
ウニの両親はお餅&お団子やさんの家族経営。トッポギってああやって作るんだー、お餅ってより団子、と思った。お父さんが泣くのが韓国風で、男性が感情をあらわにする。
現代の韓国の人はどうかわからないけど、とにかく(日本人より)感情がストレートね。大陸的なんだろうな。