新海誠=監督,2013年日本
「君の名は。」の新海誠さんの作品.
画の美しさ,というのか立ち上がり方は際立って上手い.東京の街並みのきらめきが,そのまま映り込んでいるような気がするのだ.新海さんは私と同世代らしく,私が18歳で闊歩していた当時の東京が保存されているというか,再現されているというか.私も大学に入って,通学のために千葉から都内までの定期を持ち,好きな駅で降りて歩いて,ビル群の奥深さに魅せられてた.人がいっぱいいるけど孤独,それが東京.・・・というような感傷に浸っていたなぁ.この作品の画から,思わず思い出してしまったじゃないか.私の感受性が鈍ったのか,現在の東京は当時ほどにはきらめきを放っていないような気がするのだが・・・
そして一発で分かったよ,新宿御苑であることが.雨に濡れた艶やかさと,晴れに向かって小降りになる様子.雨をアニメーションで表すのはテクニックいると思うけど,凄いな.
ストーリーと人物造形は,ふ〜ん,といったところ.どストライクというわけではない.ただ,構成は凝っていて,紙芝居の仕切りのように「6月」「7月」・・・という文字が挿入される.梅雨入りの6月から新学期が始まる9月までの,雨の時だけ逢える妖精.そんな彼女への短い恋.このパターン,どこかで...そう,これはSimon & Garfunkelの"April come she will”ではないか!大好きな曲なので嬉しかった,全然関係ないかもしれないけどねぇ.