Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

天気の子

新海誠=監督,2019年日本
大変美しい画.「言の葉の庭」でも思ったけど雨の描写!むっちゃハイレベル.都市の描写も緻密で美しく,東京の観光アピールになっている.これ観たアジアの若者が,東京の街を体験したくてどっと押し寄せるだろう.
主人公のアウトローなところは,アメリカン・ニューシネマを感じた.うちの子たちはストーリーが良くわかんなかったと言っていたが,四十数年生きた者には痛い程分かった.自分には大切にしたいものがあって,それは世界なんかよりずっと大事で,それを守るためなら何を犠牲にしてもいい,という無茶苦茶さ.一瞬の夢かもしれない.でもそれが,あの年代にしかない,突き上げるような思いなのだ.
君の名は。」と違うところは,東京の子どもだけの生活や18歳未満のバイト,というところ.なんか是枝裕和テイスト入ってましたが?
長女と盛り上がった点としては,エンディング曲のRadwimpsが,ほとんど小田和正!!!ってところ.生声だとちがうけど,エフェクトかけて似せているのでは?小田和正の音楽も「彩度が高い」アレンジをしているとは常々感じていて.この映画も,Radwimpsの音楽のキラキラ度合いを画の彩度に合わせたんじゃ?などと勝手に想像してしまった.

(追記)
この新海誠監督のインタビュー読んでビックリ。やっぱり! 新海誠監督「人とつながりたいという気持ちを大切にしたい」 https://lite.blogos.com/article/398300/(08月19日)

是枝裕和監督の『万引き家族』を観て、もちろんテイストは違いますが、どこかやりたいと思っていることが近いと感じました。
 家出した少年が東京で人と出会い、“疑似家族” のようなものを形成して、大きなことを乗り越えていく物語−−。そんな若い2人のラブロマンスより、もうちょっと大きい視点で、この作品を描きたかったんです」
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「僕自身は、『家族はこうあったらいい』という理想は、とくに持っていない。血縁があってもいいし、なくてもいいと思います。ただ、『人とつながりたい』という気持ちは、誰にでもあるはず。
 そういう、つながりたいと思っている人間同士が、一緒になにかを乗り越える。僕にとって家族は、そういうような、何かを一緒に乗り切るパートナーなんです」