是枝裕和=監督,2019年日本,フランス?
ドキュメンタリータッチの是枝さんの画は,フランスに行っても健在で,面白かった.
特筆すべきは,ダメ男と子どもの描き方.相変わらず冴えている.舞台がフランスになっても是枝さん!!この点がピカイチってのは,なるほどねぇ.
家族って何?女の確執バリバリに出まくっていた.カトリーヌ・ドヌーヴが演じるファビエンヌは,かつてトップ女優だったのかもしれないけど,今は美しくもないし酒タバコたしなみ放題だし,のワガママばあちゃん.La Veriteと言いつつ,自伝には嘘ばっかり.騙すことも一つの生き方なのかな~って説得力がありまくり.それに対し,ジュリエット・ビノシュが演じる娘,リュミールは薄幸.でも美しかったな~.人生ってそんなもんだわ.
脇役が最高で,シャルロットちゃん(リュミールの娘),ハンク(リュミールの夫.イーサン・ホークが演じてるんだけど,美しく年を重ねてた!),イタ飯に凝ってるファビエンヌのパートナー,ジャックなど.ハンクは売れない”TV俳優”,彼はファビエンヌを騙したのか,それとも騙されたのか.
そんな中,ピエール(ファビエンヌの元夫)とシャルロットのエピソードが良くてよくて.ピエールが本当に亀になっちゃうのかと思ってすっかり騙された(そんなわけないやん!).あと,サラおばさん(こちらも有名な女優)がどういう運命を辿ったか気になる.
(大女優の娘なのに)女優にならなかったリュミール,学芸会ではオズの魔法使いのライオン役というのも示唆的で,グッと来た.
公私にわたりすべてを知り尽くしたマネージャーLucのことが,自伝には一言も出てこない,というのも示唆的(笑うところじゃないんだけど,ファビエンヌの性格を表していて何となく笑いが込み上げた).