Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

ラストエンペラー

ベルナルド・ベルトルッチ=監督,1987年イタリア・中国・英=合作
今更ながら,ちゃんと見たのは初めて.以前TVで観たような気もするが,退屈で寝たのか,覚えてない.
ベルトルッチだからね,お約束の豪華さ.紫禁城とか行ってみたくなる(台北故宮博物院は行ったことがあるが).
歴史映画として十分面白いわけだが,史実を再現したのかフィクションなのかは注意しないといけない.満州国南京大虐殺に加担し,日本軍の人体実験(731部隊)にもゴーサインを出し,アヘンの生産で資金を稼いで国内の中毒者を増やした,というのが罪状になっているけど,現在の解釈ではどれがどこまで正しいのか.自分がいかに近代中国の歴史を知らないかよくわかった.アヘンは1900年頃から50年はどのように管理され,どのくらい蔓延していたのか,全然知らなかったし考えたこともなかった.
しかしねぇ,愛新覚羅 溥儀氏は皇帝から囚人って浮き沈み激しすぎ.時代の流れとはいえ,よくこれだけ数奇な運命をたどったものだ,切なすぎるの一言である.本人的に悔やまれるのはいつも傀儡だったということで,その悔しさはよくわかった.あんなに切れ者だった皇后がアヘン中毒で通常の人じゃなくなってて,胡蝶蘭を食べるシーンがもう,切なくて切なくて泣いた.
ピーター・オトゥールは,「アラビアのロレンス」の主役じゃなかったかな.年取った〜,30年経ってるから当たり前か.そして坂本龍一が若い.