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タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

中国製玩具からカドミウム 米ウォルマートが商品撤去

元記事はこちら。スルーしようかと思ったけど・・・カドミウムは一応追っかけしているので。
このニュース、新聞で最初見たときは「うそでしょ?!」とびっくりした。(ほとんどリスクのない)PRTR対象物質が(リスクがちょっとだけ高いかもしれないけど分からない)非PRTR対象物質に代替されて、リスクが上がっているかもしれない、とかチマチマと計算している身にとっては「事実は小説より奇なり」な衝撃(この比喩も変?)。日本では、いくら常識なくても鉛の代替物質としてカドミウム(だけ)は絶対を使わないだろうから。良くも悪くもカドミウムって知名度が低いんだなあ、中国では。
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リスクについて。唾液は中性に近いのでカドミウムも鉛も溶出しにくいと思うけど、誤飲時はリスク高そう。胃酸で金属が溶けるので。急性中毒を心配したほうがよさそうだが。
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ところで、10%のカドミウムってどういう意味?カドミウムの純度でよいのか?まずそれを確認したい。
カドミウムが「安くて」ってところも気になる。91%Cdのインゴットは、それなりに頑張って精錬しないと得られないから、決して安くはないはずだけど。「廃物利用」でカドミウムを使えば、まあ安いかも。
非鉄(亜鉛、銅、鉛)鉱石にはCdは不純物として確実に存在する。だとすると、Cdの用途を過剰に制限してしまうと価格破壊(廃棄物になれば逆にマイナス)で、こういうフローがありうるのかもしれない。そう考えると、きちんとCdの用途を残しておくことは重要な気がする。そういう意味で、CdTeの薄膜系太陽光発電パネル、期待しているんだけど。

【ワシントン=勝田敏彦】米消費者製品安全委員会(CPSC)は11日、中国製の子ども用アクセサリーに有害な重金属カドミウムが含まれているとして、調査を始めた。米小売り大手ウォルマート・ストアーズは問題製品を店頭から撤去すると発表した。

 この問題を最初に指摘したAP通信が、昨年10〜11月ごろにニューヨークなど4州で試験購入したアクセサリー103個のうち12個から10%以上のカドミウムを検出。91%に達した製品もあった。

 一部の製品からカドミウムが容易に溶け出すこともわかり、幼児がアクセサリーを口にするとカドミウムが体内に入る可能性を指摘している。ただ、今のところ具体的な健康被害は見つかっていない。

 中国製玩具からは2007年、有害な鉛や化学物質が検出され、日本でも製品の自主回収が相次いだ。その結果、中国の業者が鉛の代わりに、安くて加工しやすいカドミウムを使うことが珍しくなくなっているという。

 カドミウムは発がん性などが指摘され、日本では腎臓に障害を起こして骨が弱るイタイイタイ病の原因物質として知られている。

 問題になったアクセサリーが日本に輸出されているかどうかはわかっていないが、財務省貿易統計によると、08年の中国製玩具などの輸入額は4372億円で、玩具輸入額の9割近くを占める。

 CPSCのテネンバウム委員長は12日、香港でのアジア太平洋経済協力会議(APEC)の玩具安全に関する会合で中国政府に対し「カドミウムなどを使わないよう業界に徹底してほしい」と演説した。

asahi.com(2010年1月13日11時48分)