Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

津波堆積物

後で,別ブログに移すかもしれないが,取り急ぎメモ.鉱山地域ならヘドロじゃなくてもヒ素や鉛の濃度は高い.内陸部の濃度との比較に意味があるのか,ヘドロならではの問題があるかについては要検討.

重金属陸地に残留 津波でヘドロと共に運搬 岩手医大調査
河北新報,2012年05月12日土曜日(元記事はこちら
 東日本大震災津波で海底のヘドロが運ばれ、陸地にヒ素や鉛などの重金属が残留していることが、岩手医大サイクロトロンセンター(岩手県滝沢村)の世良耕一郎センター長(教授)らの研究で分かった。盛岡市で11日あった研究発表会で報告された。
 世良教授のチームは7月下旬〜9月中旬、青森、岩手、宮城3県の16地点でヘドロのサンプル72点を採取。岩手県内陸部57点の平均と比べた。
 ヘドロのヒ素濃度は、13地点が内陸部平均を上回った。最も高いのは大船渡市の1キロ当たり32.1ミリグラムで、内陸部の約3.5倍。環境基準値(150ミリグラム)は下回った。
 鉛は9地点が内陸部を超えた。最も高い大船渡市は149ミリグラムで、内陸部の約4.8倍。基準値(150ミリグラム)とほぼ同じだった。
 大きな港のある大船渡、釜石、気仙沼各市などで高く、船から流出した燃料や汚染物質がたまりやすいリアス地形が関係しているとみられる。
 チームは釜石、大船渡市などの約180人に毛髪を提供してもらい、健康への影響も調べている。世良教授は「被災者や復旧に当たる人の健康被害が心配だ。生態系に与える影響の追跡調査も必要だ」と話している。

東日本大震災津波被災地、ヘドロにヒ素や鉛 岩手医大・世良教授ら調べ、粉じん悪影響懸念 /岩手
毎日新聞 5月13日(日)11時21分配信
東日本大震災の大津波による堆積物(たいせきぶつ)(ヘドロ)にヒ素や鉛などの有害物質が多く含まれていることが、岩手医大サイクロトロンセンターの世良耕一郎教授=理学博士=らの調べで明らかになった。被災地では今も生活空間の近くにヘドロが残り、乾燥した粉じんを吸い込むと、健康への悪影響が懸念される。
 11日に盛岡市内で開かれた「NMCC共同利用研究成果発表会」で報告された。世良教授らは昨年7〜9月、青森、岩手、宮城3県16カ所の港や市街地でヘドロのサンプルを採取。岩手県の内陸部で採取した土壌のサンプルの平均と比較したところ、最大でヒ素は3・48倍、鉛は4・80倍の濃度を確認した。
 環境省は昨年6月、岩手、宮城両県でヘドロが753万〜1204万トンに上ると推定。市街地での処理は進んでいるものの、現在も道路の側溝や農地などで多く残っているとみられ、世良教授によると、大きな港近くの海底には船からの排水など人為的な影響で特に多くの有害物質が堆積しているという。
 世良教授らは体内に摂取したヒ素などの濃度を震災の前後で比較するため、昨年10月から県立釜石病院と共同で、被災者約180人の毛髪を採取。濃度の変化や健康に与えた影響などを調べるという。世良教授は「被災地では環境の変化から体調を崩す人も多いが、ヘドロがどのように影響を与えているか解明したい」と話している。【金寿英】