Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

食品のリスク評価がリスク論っぽくないわけ

「期限切れ食品がもたらす健康リスク」などと作文してみたけど、どうもピンと来ない。  
おそらく、確率論的な話が可能な微生物ですら、特定の菌でないと量と影響の関係(dose-response curve)が得られないから。一般細菌数に対する○○の影響とかになるとお手上げで、どうしてもゼロイチ(ある値を超えると全てクロ)でしか話ができない。一般細菌としてカウントされる微生物も、大腸菌群としてカウントされる微生物もいろんな性質のものがいて(注:大腸菌群として数えられる細菌と大腸菌はぜんぜん違う、って学生の時に習った気がする)、影響を定量的に測定することが不可能なんだろうな。
そしておそらく、食品分野の安全性評価はそっち方向(混じった細菌群)の評価から発展してきていて。どうしても「一般細菌数○○以下」「で、影響は何なの?」「よくわからないけど、このくらいになると腐るものがあるらしいよ」みたいな部分から抜け出せないんだと思う。