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タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

食品中の放射能測定はどのように行われたか(野菜について)

測定試料のホウレンソウは洗浄されたのか,ちょっと気になったので食安委のメルマガから読める資料のなかから探した.いろいろまとめてる時間がないので,備忘録がわりのメモ.
今回は,以下の「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」により測定されたと思われる.
報道発表資料平成23年3月17日「放射能汚染された食品の取り扱いについて」の中にある
「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」 このp.9〜
ゲルマニウム半導体検出器を用いたガンマ線スペクトロメトリーによる核種分析法」.プレスリリースにI-131,Cs-137の両方の値が載っているから,おそらくこちらで測定したのだろう.
ちなみに,スクリーニング段階ではNaIシンチレーションサーベイメータで定量.この方法では

NaIシンチレーションサーベイメータでは、核種弁別が出来ないことから放射性核種を全てI-131 として扱う。従って、Cs-137 などの放射性核種が混在する場合には過大評価となることに留意する。

とのこと.

「緊急時における食品の放射能測定マニュアル」マニュアルより引用↓

3 測定試料の調製
(1) 食品中のI-131、Cs-137 放射能測定のための試料前処理法は、放射能測定法シリーズ24「緊急時におけるガンマ線スペクトロメトリーのための試料前処理法」(平成4 年)☆6に準じる。
(2)食品衛生法の食品、添加物等の規格基準(平成11 年11 月26 日厚生省告示第239 号)の表4 の第1 欄の各食品については、それぞれ各第2 欄の試料の調製に従う。ただし、キャベツ(芽キャベツを除く)及びはくさいについては、外側変質葉及び芯を除去したものに、また、ごぼう及びサルシフィーについては、葉部を除去し、泥を水で軽く洗い落とし細切する。
(3)試料は、あらかじめハサミ、カッター、包丁等で細切りし、機器校正に用いたものと同じ2L ポリエチレン瓶、2L マリネリ容器、0.5〜1L 程度のタッパー容器又は容積100 mL(50 mmφ×50 mm)小型容器に入れて測定試料とする。
☆6:試料搬入時の注意点、試料の前処理法(葉菜等については試料相互間の汚染を防止するため水洗いはしない)、試料の保存方法等が記載されている。

要するに,
・ホウレンソウは洗浄なし.はさみで切っただけで測定.
・キャベツは外の葉をむいている可能性高い
・ネギは「葉菜等」に含まれるかわからないが,含まれているとすれば洗浄なし
(下に追記)
(今更だが,プレスリリースに洗浄後の放射能測定結果も載せれば,実際的なリスク管理に役立ったかも.「流水で○分間,水洗すれば減ります」という類の情報は消費者としても知りたいところ.いや,減りにくさが品種によって違ったりする可能性があるから敢えて情報を出さなかったのか?)
(もう一つ今更だが,食品中の放射能は本当に地震前と比べて上がってる?元から高かったということはないよね(念のため.ここを確認しておかないと発生源解析にならない))