Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

北のカナリアたち

降旗康男=監督,2012年日本(東映
北海道礼文島の厳しい風景と,みな悲しみを抱えて生きている,その人間模様.そしてミステリー風に過去の謎が少しずつ明かされ最後は浄化されるという,監督の思惑に見事にハマった.面白かった.湊かなえさんの小説は全く読んだことがないが,しんどい人が読むと,もっとしんどくなるんじゃないか(今度読んでみようかな?).人生って辛いなあ〜ってこの映画見て思ったもの・・・勿論,救いようがない終わり方ではなくて,前を向こう!って思える終わり方で,そこはとても良かったけれど.
しかし最近,涙腺が緩くてダメだ.始まって10分で涙が止まらなくなり,例によって2時間ずっと泣いてしまうパターン.私は,「二十四の瞳」のような設定(田舎の分校,純粋な子どもたち・・・)で泣き確定のダメ人間ということがわかった.教師役の吉永小百合は,安定したきれいなおばさんで,それはいいのだが,のぶちゃんという男の子が・・・うちの長男みたいで(これ書いてても泣けてくる;;).
分校の生徒6人が,成長して30歳時点でどういう職業についているかも,地方の現実をありのままに写しているなあと思った.札幌で幼稚園教諭(女),国定公園のレンジャー(女,既婚),稚内で造船所勤務の職工(女),札幌で会社員だったが倒産してロシアで会社立ち上げ(男),警察官つまり地方公務員(男),とび職だが殺人罪で指名手配中(男).6人中結婚しているのは一人.これだけでも色々考えさせられるのである.地方で仕事をするって,ほんとうに厳しい.