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タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

ゴーマニズム宣言SPECIAL 天皇論

小林よしのり=著,小学館
漫画なのに字が多くて読み終わるのに時間がかかった...
長女が3年前くらいに読んでいて(その当時,彼女は小2なのであるが),長女に勧められていて,今,ようやく読むことができた.こういうの,毛嫌いせずに一度は読まなきゃダメだね.
小林よしのりさんがよく勉強していることに驚き!若干右翼的な方に分類されるのかもしれないが,記述が中立的で好感が持てる.
一番びっくりしたのは昭和一桁前半生まれの「少国民」世代が,一番偏っていて,その偏った考え方があたかも唯一の正義,みたいに声高に発信している(特に左翼言論人の罪は深い),ということ.なるほどね〜.それ以前生まれの人は皇室への意識も,明治憲法に対しても現憲法に対しても割とニュートラルなのに対し,少国民世代は,全力で「軍国少年」となり,戦後は平和憲法に入れあげちゃうという振れ方.でも考えてみれば,そりゃあ,そうですよ.10代のあんなに多感な時期に濃ゆい教育を受け,敗戦で「大人」を信じられなくなり共産主義に入れあげるのも,分かる.きちんとした背骨になる思想が,10代で根底から覆されたんだもんね,バランスも悪くなるってもんだよ.
私は決して右翼じゃないつもりだが,国を愛する,ってすごく大事だよ.こういうことを恥ずかしがらずにもっと口に出すのは賛成.私は,日本という国に守られていてありがたいなあと,いつも思っている.
寺山修司の「マッチ擦る・・・」もそうだし,鷺沢萠の「ケナリも花,サクラも花」の中のエピソードも思い出される.著者の友人(韓国人・女性)が「こんなんだからあの国はいつまでたっても良くならないんだよ!」って本気で怒ってるシーンがある.母国(韓国)ためにこんなに激昂できるなんて素敵だ.読んでて涙が止まらなかったもの.