五十嵐 泰正=著,「安全・安心の柏産柏消」円卓会議=著,編集
20Bq/kgに落ち着いた理由を整理すると以下のとおり(p.59).要はALARAなわけであるが,個別要素に分解できるところがイイね!
①実現可能である(高くても工夫すれば低減できる)
②我慢できるぐらいには低い
③少なくとも国より低い基準(②と似ているが,「頑張ってるぜ,えっへん」みたいなポジティブな要素が付け加わってるところが違う)
④測れるレベル(今ある機器を使いつつ,1検体当たりにかかる時間が現実的である,というレベル.検出下限値を低くするとは理論上可能だが,短時間で測るには新しい機器買わなきゃ,などのトレードオフもある.費用って大事な要素)
①〜④がうまくからみ合って決まった,と理解した.一番一筋縄ではいかないのは②かな.人によって違うところだからね.
ALARAとは・・・As Low As Reasonably Achievableの頭文字であるが,毎回モヤモヤする.何をもってリーズナブルとするか書いてないからである.
上記の例のように限定された地域で,合意もお互いの顔を見て,ということなら「あーなんか落とし所見えたかも」と思うだろう.
しかし,これが国レベルだとどうだ?「ここまではできるけど,これ以上やるとお金がこんなにかかるので,頑張ってもできません」と数値でゴリゴリ示す(費用便益分析を行う)ことは最低限必要だろう.でも,それをきちんとやっているALARAは見たことないよ.現状では都合の良いスローガンにしか見えない,ALARA.