Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

失敗学のすすめ 

畑村洋太郎=著、講談社文庫
うちのボスとスタンスが似ている。たたき上げで骨太、アカデミック、しかし外部(=社会)との融和がすごく上手、というところが。畑村先生に関してはお会いしたことがないのでイメージですが・・・
とても読みやすい文章だった。こういう偉い先生の文章は概して独りよがりだが、この著者は違うなあと感激に近い感想を持った。想像するに、何度も練り直し、他人に読んでもらって朱をいれてもらった結果なのだろう。この点でも、うちのボスに似ているような気がする。
アイディア帳に何でもいいから思いついたことを書き、アイディアの種と種を結びつけていくこと。結び付け方は人それぞれで試行錯誤の賜である。
「失敗対策をしないと損」「失敗を生かすことで時価評価を上げられる」
「複数のたばこメーカーが健康被害をめぐる集団訴訟で総額15兆円に上る賠償命令を受けたりするのは、わかっているのに危険を放置していることへの懲罰の意味が込められているわけです。」これは知らなかった。実質の損害額が15兆円だからだと思っていた。