Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

政策論争のデタラメ

市川真一=著、新潮新書
着眼点と問題提起は確かに鋭いと思うが、この著者のオリジナル感はなく、ほかの論客とアイディアがかぶる印象。要は「どこかで聞いたな、この切り口」。加えて、どうすればよいかの処方箋がお粗末。だれでも気づきそうなものだし、実行性に乏しかったり、効果が本当に上がるの?という疑問を抱かせるものだったり。これは証券アナリストが教育とか、医療とか環境とかを論じているから仕方のないことかもしれないけど。政策論争の「デタラメ」(デタラメというほどデタラメではないと思うが?)を示すのに数値を使っていたけど、処方箋では「〜であろう」「〜と感じる」が散見された。ちょっと無責任なんじゃないの?