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タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

火葬の灰に六価クロム

話題としてはこちらの方が興味あり.読売新聞の方が科学リテラシーが高い,というか少なくとも記事の表現に間違いはなさそう.

しかし,こういうのに対策費用をかけるって,公営火葬場の使用料金が上がるということになるが,国民の理解は得られるのだろうか?

火葬の灰に六価クロム、最大で基準の1200倍…厚労省調査
読売新聞=2009年1月19日15時01分(元記事にリンク

 火葬場の焼却灰に国の環境基準値を大幅に上回る有害物質の六価クロムが含まれていることがわかった。

 厚生労働省研究班(主任研究者=武田信生立命館大教授)によると、調査した4火葬場すべての灰から高濃度の六価クロムが検出され、基準の1200倍という灰もあった。大半の火葬場で使用されている、ひつぎを載せるステンレス製台が発生源とみられる。

 火葬による灰は、工場のばい煙などと比べ少量のため、直ちに周辺住民の健康に影響する恐れは少ないが、埋め立て処分が続くと地下水が汚染される懸念がある。

 調査は2006年に行った。国内4か所の火葬場の火葬炉内に残った灰と、煙に含まれる集じん灰を回収し、灰を溶かした溶液1リットル中にどんな有害物質が含まれるか分析した。

 六価クロムは、環境基準(1リットル中0・05ミリ・グラム)の180〜1200倍にあたる9〜60ミリ・グラムを検出。炉内の灰よりも、集じん灰に多く含まれていた。

 大半の火葬場では、1000度超の高温に耐え、比較的安価なステンレス製ひつぎ台が、少なくとも20〜30年間使われている。鉄とクロムの合金であるステンレスの一部が、繰り返し高温にさらされ、六価クロムに変化した可能性が高い。

 ダイオキシン類を除き、火葬場から出る煙や灰の処理を規制する法律はない。

 調査した京大大学院工学研究科の高岡昌輝准教授によると、対策として、ステンレス台をれんが台などに変更したり、化学処理で六価クロム量を基準以下に減らしてから排出したりする措置が必要という。