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タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

カドミウム腎症の目安

下2つの記事は,同じネタを取り上げているのだが,カドミウム腎症に認定される人数が違う.ハザードラボの記事では「362人」,産経新聞の記事では「362人のうち・・・」となっている.どっちが正しいの?(調べる)
認定基準の数値はβMG=3000ug/gであってる?そして,これはクレアチニン補正後の値で良いよね,単位からして.
しかし,「流域に1975年以前に20年以上の居住歴があり,現在も居住する人」のなかで,このレベル超える人が多いので驚いた.5歳おきの調査を,毎年やっていればきちんと見つけられるはずなので,基準が変わったのか.

カドミウムで腎臓障害362人 イタイイタイ病神通川流域でハザードラボ
http://www.hazardlab.jp/know/topics/detail/7/5/7514.html
富山県は1日、「イタイイタイ病」が発生した神通川流域の住民を対象にした健康調査の結果、カドミウムによる腎臓障害が疑われる人が362人に上ることがわかったと発表した。


 健康調査は、環境省富山県が1979年から毎年、65、70、75歳と対象年齢を限定して実施していた調査を、今年は5月に、流域に1975年以前に20年以上の居住歴があり、現在も居住する人を対象に行った。


 今回は対象者7461人のうち、2493人が受診した。そのうち、カドミウムによる腎臓障害が認められる指標となるタンパク質「β2ミクログロブリン」の尿中濃度が基準値を超えた人が、受診者の15%にあたる362人となった。


 β2ミクログロブリンの尿中濃度が基準値を超えた人は、イタイイタイ病には認定されないが、カドミウムによる健康障害が認められるとしてイタイイタイ病の原因企業である三井金属が一時金60万円を支払う対象になる。

362人にカドミウムによる腎臓障害の疑い…「イタイイタイ病」健康調査
http://www.jnep.jp/joho-2013/kougai/kougai.html
産経新聞WEB 2014.10.1 20:31
富山県は1日、イタイイタイ病が発生した神通川流域の住民を対象にした健康調査の結果、カドミウムによる腎臓障害が疑われる人が362人いたと発表した。

 このうち腎臓障害の指標となるタンパク質「β2ミクログロブリン」の尿中濃度が基準値を超えた人は、イタイイタイ病には認定されないがカドミウムによる障害が認められるとして、原因企業の三井金属が一時金60万円を支払う対象になる。

 362人には別の尿中タンパクが一定量を超えた人も含まれるが、一時金対象とはならない。県は一時金対象者の人数を明らかにしていない。

 健康調査は環境省富山県が今年5月から実施し、条件に当てはまる7461人のうち2493人が受診した。対象者は、流域の汚染地域で昭和50年以前に20年以上の居住歴があり、現在も住んでいる人。これまでも65、70、75歳といった節目の年齢の人を診断してきたが、今年は年齢を限定しなかった。

背景はこちら.

イタイイタイ病>最終解決へ カドミウム腎症に一時金
毎日新聞2013年12月14日(土)8時15分
 有害物質カドミウムによって、富山県神通川流域で発生した四大公害病の一つ「イタイイタイ病」で、前段症状の腎臓障害「カドミウム腎症」を発症した人の救済策に、原因企業、三井金属鉱業(本社・東京)と被害者・住民団体が合意する見通しとなったことが13日、関係者への取材で分かった。同社は1人当たり60万円の一時金を支払うこととし、「神通川流域カドミウム被害団体連絡協議会」(被団協)と17日にも文書を交わす。
 カドミウム腎症は、国の基準では患者と認められておらず、救済は流域住民の悲願だった。対象者は500人以上にのぼるとみられる。日本初の公害病認定(1968年)から半世紀近くたち、原因企業と被害者側との最終解決が図られる。
 カドミウム神岡鉱山岐阜県飛騨市)を採掘する旧三井金属鉱業神岡鉱業所(現・神岡鉱業)の排水に含まれていた。下流神通川流域の土壌を汚染し汚染米を食べた人たちに腎臓障害や骨軟化症が表れた。
 国の基準では、イタイイタイ病カドミウム腎症が重度化し、骨がもろくなるなどの異常が表れた段階で認定される。前段症状の腎症は「ただちに日常生活に支障が出るわけではない」(環境省)などとして健康被害と認められていない。ところが一定以上進行すると治癒せず悪化し、死亡率が高まるという研究もあり、対策が必要とされてきた。
 合意案によると、三井金属は、75年以前に20年以上、汚染地域に住んだことがある人のうち、腎機能悪化の指標であるたんぱく質「β(ベータ)2ミクログロブリン」の尿中濃度が1リットルあたり3000マイクログラム(1マイクロは100万分の1)以上の人に、骨の異常がなくても健康管理支援を目的に、一時金60万円を支払う。対象者は、同社と被団協が選出した委員でつくる組織が判断する。居住歴を満たすのは約9000人で、このうち、健康調査結果などから500人以上になるとみられる。2014年4月から申請を受け付け、15年4月に支払いを始める見通し。また、同社は被団協に公害の発生を謝罪し、解決金を支払う。
 イタイイタイ病を巡っては、住民が神岡鉱業所を相手に起こした裁判で72年に勝訴。その後、排水の水質は改善され、汚染農地の土壌復元事業も12年3月に完了した。患者団体の訴えは腎症救済に絞られており、今回の合意でイタイイタイ病を巡る救済問題はほぼ全て解決することになる。環境省は、現行の認定基準は見直さない方針。【阿部周一、田倉直彦】