Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

少年

陳坤厚=監督、1982年台湾

朱天文の短編小説の映画化。普通の台湾人の現実に目を向け、誠実に生活を描くのが、台湾ニューシネマということらしい。

1960年代の台湾・淡水。未婚の母シウインは幼い息子アジャの将来のため、歳の離れた公務員ターシュンと見合い結婚をする。心優しいターシュンは、アジャを実の息子のようにかわいがって育てる。やがてアジャには弟が2人生まれるが、中学生になったアジャは不良仲間とつるんで問題ばかり起こすように。ある日、アジャの不注意から弟が事故に遭ってしまう。(映画.comより)

映画の構成としては結構退屈で、面白いというよりは、ドキュメンタリーのように興味深く見る種類の映画。「童年往時 時の流れ」と被り(というか、頭の中で完全に混じり)、ホウ・シャオシェン侯孝賢)の少年時代を彷彿とさせる。
やんちゃな少年が、不良グループに入る筋書きは「童年往時~」とまさに同じ。しかし、義父のターシュンがひたすら善人でアジャの素行の悪さをひたすら庇う。そして、ラストはショック。
1960年代の台湾って、なぜこんなにキュンキュンするのか。永遠に見ていられる。懐かしい日本が保存されていると言ったら、台湾人に怒られるだろうか。とにかく、すごーくシンプルな日本って感じなのよね。小学校の授業や時間割も、分かる!分かる!子どもたちの遊びが、ピンポンダッシュ、ケンケンパー、ゴム跳び。まじないも貸本屋もそう。母の友人女性が、プラレールのようなおもちゃをお土産に買ってくるのが、なんとも。