Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

ウェディング・ハイ

大九明子=監督、2022年日本(松竹)
篠原涼子中村倫也、岩田剛典、向井理

「地獄の花園」「殺意の道程」などで脚本家としても才能を発揮するお笑い芸人バカリズムのオリジナル脚本による、結婚式を舞台に描いた群像コメディ。お茶目だけど根は真面目な石川彰人と天真爛漫な新田遥のカップルは、敏腕ウェディングプランナーの中越真帆に支えられながら結婚式の準備を進め、ようやく式当日を迎える。新郎新婦の紹介VTRや主賓挨拶、乾杯の発声といった定番の演目に並々ならぬ情熱を注ぐ参列者たちだったが、熱すぎる思いが暴走し、式は思わぬ方向へと展開。新郎新婦からのSOSを受けた中越は、知恵と工夫で数々の難題に立ち向かうが、さらに遥の元恋人・裕也や謎の男・澤田も現れて……。

面白かった。最初は多少不自然かな、と思わされた展開だったが、すべてが伏線で最後に回収される構造。あざとさしつこさもあるが、(こういう話で主役になりがちな)新郎新婦の存在感が良い具合に薄く、なにより篠原涼子向井理が変すぎて良き。変な人が生き生きしている話は、三谷幸喜作品っぽくて、そこがツボにはまったのかと思う。