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タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

レスポンシブル・ケア

レスポンシブル・ケア、初めて聞いてなんのこっちゃと思った言葉。
カタカナ+日本語解説になると全くわからない、典型例ですよねこれって。下記の説明でわかる人っているのかな、と素朴に思ったことを思い出す。化学会社は責任ある行動を自発的にとることが求められている、を宣言化したもの、ということが、リスク・コミュニケーションの成り立ちを知り、産業界の努力を知り、文脈を理解して、ようやく腹落ちした。
レスポンスの原義は、聞かれたら答えること。それに耐えうるエビデンスを備えていることがレスポンシビリティーなんですよね。
レスポンシブル・ケアって何?

レスポンシブル・ケアとは 「製品のすべてのライフサイクルにおいて、健康・安全・環境に配慮することを経営方針のもとで公約し、自主的に環境安全対策の実行、改善をはかっていく」―レスポンシブル・ケア活動は、他の産業にはみられないユニークな取り組みとして、国際的にも大きな注目を集めアジェンダ21でも奨励されています。その社会的な背景には、
(1)市場に提供される化学物質や製品の量・用途の拡大
(2)環境安全に関し、社会の人々の関心の多様化
(3)生産・取り扱い者・利用者の範囲拡大
など内外情勢の多様な変化があげられます。そして、事業者が環境・安全・健康を維持するために、社会に対して責任を果たすには、法・条例の遵守だけでなく、事業者自身による自主的な管理を行わないと不十分であるとの認識にいたって、法による対応(従来通り)と産業界(事業者)による自主管理-規制と自主管理のベストミックス-が必然になったといえます。

responsible:〔人が行為などの〕責任がある[を負うべき]
これ、辞書の最初に訳として出ちゃうのはどうかと思うな~。聞かれたら答えられること、という原義から文脈を押さえて考えていく、それしかないと思うんだけど。

と、こんな風に、欧米の概念が、あまりよろしくない日本語訳で捻じ曲げられて、日本には根付かず結局お題目化していることって結構ある、と思ったので記録。SDGsも同じ匂いがする。自動翻訳が普及しても、直訳じゃ全然わからないよ。英語の原文にあたり文化の差を理解して、じゃあ、日本ではどうするの?と考えるの大事だよ。
そういう意味で、今、リスク評価論文の古典を英語で読んでる。面白い。