Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

男はつらいよ 寅次郎恋歌

山田洋次=監督、1971年日本(松竹)
備中高梁の街並みが映るかな?と思って観た作品。博の実家が線路沿いにあって、蒸気機関車が走っていた。「夜汽車の汽笛の音が(by寅さん)」という台詞もぴったりで、煙もくもくと吐きながら走る汽車が旅情を掻き立てる。高梁市の商店街の買い物、寅さんと博の父(志村喬)が連れ立って歩くシーンが良かった。
リンドウの咲き乱れる家の夕食の話が何度も繰り返され。無駄な繰り返しにも見えるが、小津安二郎から続く松竹の伝統芸なのかな。今となっては味がある。
寅さんは意外にも博識で、「懸想する」という台詞があった。意味が分からなくて思わず調べたが、意味は「恋すること、恋い慕うこと」。
寅さんと博の父のやり取りが嚙み合ってなくて、花丸。博の父は元大学教授、専門はインド古代哲学って!