長崎俊一=監督、1988年日本
国立映画アーカイブで鑑賞。プロデューサーの増田久男さん(脚本家としては北原陽一さん名)が舞台挨拶のようなミニトークもされて、それだけでもこのご時世、ありがたいことで胸アツだった。
主演は男闘呼組。公開当時、私は中学3年でクラスでは光GENJIが一世を風靡していた。この映画にも光GENJIが(チョイ役で)出るから、クラスメートは見に行く?どうする?なんて会話していたなあ。
いい映画だと聞いていたので、レンタルDVDで探していたものの、ジャニーズは権利関係の縛りが厳しくレンタルにはならないといううわさがあった。だからここで上映されると聞いて、観に行くことを即断。
ちょっとツッパった高校生、俊介(演:岡本健一)が松本の高校に転校し、早々に絡んできた不良のクラスメートとの友情が描かれる。共通の趣味がロック、しかも同じロック・グループ「クライム」の大ファンということで意気投合しバンド結成。楽器を買い、ライブを開くためのお金を貯めるシーン、良かった。バイトしてるのも、良かった。緩やかな時代だった。
音楽シーンもある。男闘呼組の音楽は全く聴いたことがなかったが、本職だけあって演奏もうまい。キャラと設定がピタリと嵌った、着眼点の勝利のような作品だね。原作を読んだ北原さんによれば、ジャニーズ事務所のほうから男闘呼組の出演を提案されたとか。メリー喜多川さんが「いい子たちいるのよ~」って。
未成年者の喫煙シーンやセリフまわしにいかにも昭和を感じるものの、男闘呼組みなさんの演技がうまくて惹きこまれた。特に10代の岡本健一さんが、どえらいカッコ良さ。ヒロインがいかにも田舎娘で甘美なシーンもなく、それも青春だなぁ。
松本の風景もピカイチ。時折映る美しい松本城。水路のある街並み。千曲川なのか、河川敷と夕陽、レコードを投げ捨てるシーン。胸がいっぱいになる。これ見て松本行ってしまったジャニーズファンもたくさんいるのではないか。