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タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

いちえふ(1)(2)

竜田一人=著、講談社コミックス
漫画を読書とは言わないかもしれないが、2回位真剣に読んだので読書ということで。
大型化学プラント大好きでいろいろ見てきたが、原発も基本的にあんまり変わらないなあと思う。さすがに原子炉は違うと思うけど。この漫画にそこまでは書いてない(つーか、中見れない)ので、こういう感想。
重要なのは後方支援部隊(ロジ)。実に細かい。しかし、ここが作業員の快適さを決めるのね。
そして、仕事以外の記述。とくに男3人でいわき市内にアパートを探して住むプロセス、なぜか泣いたわ。
これ読んで、はじめて理解したことがある、それは「外部電源喪失」のイメージ。鉄塔がぐにゃっと曲がって喪失してしまった、ということ。
「外部電源」とは、他所の敷地から送電線を使って送られてくる電気のこと。いちえふは発電所だから、電気を外から送ってもらうなんてちゃんちゃらおかしい、これが平時は当たり前の感覚。無停電電源装置(しかも、原子炉の冷却装置を何事も無く動かせるキャパだからものすごく大きいはず)をわざわざ発電所のなかで準備しようなんて馬鹿らしい、こう思うのも平時は当たり前の感覚。外部電源がなくても動く独立発電機を用意することがどんなに重要か、平時は思い至らないんだ。ここにギャップがあったんだなあと。・・・竜田さんが発電機の燃料を携行缶で補給するシーンを見ながら考えた。
私もうちにあるブロアで掃き掃除をするとき、燃料として混合油を使うのだけれど、それを携行缶で持ち運びするからわかる。圧を大気と同じにするために最初に弁をプシューと開くんだよね。こういうディテールの描写が好きです。