母校,千葉県立千葉高校について検索していたら卒業生の角田陽一郎さんというかたのBlogにたどり着いた。加藤昌治さんとの対談記事。お二人とも私の3学年上だが,ちょうど入れ違いだし,そもそも1学年500人近くいたので知らない人。
この対談が面白くて思わず全部読んじゃったんだけど,高校の授業風景の描写が特筆すべき。私も習った坂本和敬先生。すっかり忘れていたが現国の授業が,まさにこれだった!試験は,答案用紙いっぱいに論考を書くんだけどホントに何書いてもバツ(笑)。点数一けたが普通だった,もちろん私も。やっぱりショックだよね(笑)。
現役高校生の長女に言っても,こんな授業があったなんて信じてもらえないだろうなぁ。やっぱりあの高校,変わった先生が多かったのかな。
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https://kakutayoichiro.themedia.jp/posts/5703658/
『考具』加藤昌治×『運の技術』角田陽一郎の高校同級生対談
(前略)
角田 自分の本にも書いたんだけど、高1のとき、現代文で「羅生門」を坂本和敬先生に教わっていまして、下人の行動一つについて、「どう思いますか…?」って聞かれて、翌週もそれなの。次の時間もそれで、一ヶ月くらい続くの(笑)。これでどうやって試験やるのかなって思ってたら、中間試験で一文だけ書いてあって、「思うところを述べよ」だけ(笑)。すげえな、この学校!って思いました。
加藤 「どう思いますか…?」って言われても、みんな高1の1学期だから、当たり障り無いことを言うじゃないですか?で、答えると「そうですか…」って10分くらいずっと校庭を見ていて、「俺ら今ヤバいこと言った?」ってなっちゃって。その時、現国が週3回あったんだけど、1行も進まなくて。「卒業まで羅生門終わらない」と本気で噂してました(笑)。それで、中間試験の現国の配点が40点で、平均点2点、うち名前点1点。何書いてもバツ!(笑)誰かが8点くらいとってて、「お前すげえな!」ってなってました。
(後略)
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この先生には古典も習ったけど,夏休みの宿題が「古語辞典の通読」,つまり辞書を一字一句読むこと。まさか!ってみんな絶句したけど,実際やってきた同級生がいた。
別の先生だけど,1年時の漢文の先生は,漢文の授業なのに,助詞の「に」と「と」の違いについて一か月間続く(笑)。「千葉高生にはなったが,千葉高生とはなっていない」,これはどういう意味かって延々やってた。まともな同級生は早々に内職に切り替えてたよね。
上記のお二人の対談には生物の加藤先生もちらっと出てきて。大学院で習うことを高校で習っていたのは嘘じゃない。あまりにテンションが高くて板書時にチョークぼきぼき折ってるし(内容が頭に入ってこないw),筆圧強すぎで板書は消せないしで。
とにかく、あの高校の洗礼は衝撃で、、、大学受験のための授業は一切しませんから、大学行きたい人は別に勉強してください、って最初にはっきり言われたもんね。
でも、私は性に合っていたのか好きだったな。自分も他人も尊重する雰囲気、恥ずかしながらあの高校に入って初めて知って。心から尊敬できる先生がたくさんいて、授業がとにかく楽しくて刺激的。倫理の鳥海先生の授業も大好きだった。生徒が好き勝手に議論できて、みんな面白いこと言うから毎回爆笑だったよ。物理の清水先生は剛体モーメント、化学の村越先生は電子軌道、高校課程にはないけど、これを知らないとほんとのことが分からないから、って。地学の嶋田先生の超うまい図とかも。あと、富士夫先生もそうだったけど、先生方が教えるだけでなくて自分から研究してたのも衝撃だったな。英語の大塚先生は「英語青年」という雑誌に投稿論文書いてたし。だから結局、自分もよく勉強したんだよね。
そんな雰囲気に3年間浸ると、人に言われてやるのが全然ダメで、自分の頭で考えて、なんでも行動するようになったよ。おかげで、わがままでめんどくさい人間へとまっしぐら、人格形成にメッチャ効いてる。
そうそう、高校時代にやったことが仕事につながってることを今思い出した。私、オケのほかに「公害研究部」に入っていて、大気汚染度測定していたの。物理準備室で、酸性度を測る沪紙に試薬を入れて色を見る、ってやつ。オケの友達とおしゃべりしながら適当にやってたんだけど、、、
人生何があるかわからないね。