Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

下流志向 学ばない子どもたち 働かない若者たち

内田樹=著,講談社文庫
内田樹さんコンプリートの勢いで,困った困った(笑).
この人の良い点は「人間は矛盾を包容できるから人間なんだ」とポジティブに歌い上げていることかな.矛盾だらけの私としては,かなり楽になる言葉.
人が成長するには時間の流れが大切,というメッセージがこの本の中に一貫してある.「今はなんだかわからないけれど,一旦保留にしておこう」とわからなくても前に進める,そして後から振り返って,あれはああだったんだというところに成長がある.そういうことができる人間って,なんと素晴らしいことか,ということ.それに対して,貨幣で交換するという行為は即時的なもので,時間が関与しないものであること.時間の流れるスピードがどんどん早くなると「お金をかけるのであれば,その見返りを即時に要求!」,そんな考え方は,成長を自ら拒むものなのだと.