Being on the Road ! in Hatena

タイトルは沢木耕太郎「深夜特急」トルコ編の「禅とは,途上にあること」という台詞から.

自民党案(0歳児保育廃止か)

何だかネット上がこの件で賑わっていたので便乗してみる.
http://www.jimin.jp/policy/policy_topics/pdf/seisaku-066.pdf
この自民党案を「母親が家庭で赤ちゃんを育てるべき,という押し付けだ!」とみるのはいささか短絡的だろう.単に,ゼロ歳児集団保育という「金食い虫」をなんとか排除したいと思っていて,それをストレートに言うと角が立つから,オジサマたちが思いついたノスタルジックな?言葉に言い換えたにすぎない.(自民党側としてはうまく言い換えたと思ってるかもしれないが,実際,言葉の選び方に失敗していて,小さい子を預けて働く親たちから大反発,という構図)

しかっし,さすがに『「子どもは親が育てる」という日本人の常識』『「子どもは社会が育てる」という誤った考え方』とか書かれてると,自民党の見識を疑ってしまう.「子どもは社会が育てる」って誤りなの?最終的には親が責任を持って,社会の中で育てるのがいいんじゃないの?親だけで育てるって,そもそも不可能なことだし,あまりロクな子に育たない気がするよ.
数十年前までは,母親は農作業や家事で手一杯で,自分の子をしっかり育てている事例は良いとこの奥様のみ,ほんの一握りだったはずだ.普通の家では,子どもは上のきょうだいや近所の子や暇してるオッサンオバちゃんが見るもんだったでしょ.

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誤解を恐れず,3人の子がいる自分の実感を書かせてもらうならば,ゼロ歳児に集団保育は早すぎる,とは思う.集団保育から受けるメリットと,集団で生活することによる病気感染へのデメリットを比較すると,集団保育は1歳過ぎたくらいからが適当なんじゃないかと思う.やっぱり0歳児と1歳児では体力が雲泥の差だからね.あくまでうちの子らを見た感想にすぎないけど(N数=3では語れないことは重々承知).

でも,私は産後すぐ働かねばならなかったし働きたかったので,一人目二人目は産休明けから預けた.そして,保育所のおかげで大いに助かったことも事実.ただ,集団保育でなく,家庭で見てくれる代わりの人がいて保育所と同じような料金で利用できたら,それも良かったと思う.そして,3人目はようやく1年育休をとれる身分になり,育休をとってみた.この赤ちゃん,上二人と違って,保育所に預けるまで病気が格段に少なかった(鼻水が出ないことに感激した記憶がある.保育所通い=Always水っ洟,だから).自分で赤ちゃんの成長をみられるのは幸せだし楽しいことだったけれど,24時間ずっ〜とは見てなくてもいいんだけどって,思ってたことも事実だ(ええ,睡眠はいつでも中断されるし,自由時間は事実上ゼロですから).その割に仕事を全くしないのは私には暇すぎた&給料ないのはきつい.あ,1歳過ぎると「家庭だけでは刺激がなさすぎてダメ」とは強く思う.

ちなみに,母親(私)の体調は,産休明け復帰しても何も問題もなかったし,今のところ弊害は出ていない(更年期に出てくるかもよ,とは言われているけど,まだ検証不可(笑)).

だから,自民党の案は「0歳児を持つ家庭も,家庭内で子どもを見つつ,かつ必要なら共働きも可」,とするような(理想の)社会を作っていく,ということなら実は賛成.ワタクシ好みの極論を言ってしまえば,0歳児のいる家庭にはあまねく(共働きでも片働きでも)ベビーシッターをつけることを保証するとか.そんな金があるとはとても思えないが.

0歳児保育に税金がかかる(月16.8万?もっと?)ことは紛れも無い事実だ.この税金が,集団保育から他の案,たとえば家庭内個別保育にすることでいくら安くなるのか,メリット・デメリットはどう変わるのかを真面目に試算した結果を,一度見てみたい.