斎藤 美奈子(編),岩波書店
斎藤美奈子の著書かと思って説明をよく読まずにアマゾンで買ったら,編者だったorz
しかし,何だ〜ほかの人の文章じゃん,と届いてがっかりしたのもつかの間.まず美奈子センセの序文「性と批評が出会うとき」からもう目が離せない.
秀逸だったのは小倉千加子さん(彼女の文章は初めて読んだ).「戦後日本と「赤毛のアン」」は面白かった.
『赤毛のアン』の訳者,村岡花子氏が優秀な通訳で,マッカーサーの命令を自国の首相に伝える立場にいたこと.出版が1952年という絶妙さ.フムフム・・
『赤毛のアン』はアメリカの占領政策の落とし子である,って言い切ってる.ここまでの考察は凡人にはできまい.たしかに,学校内だけは男女平等,社会に出れば良妻賢母を求められ,ローラアシュレイを好む婦人にしかなれない,という近代社会(=当時のアメリカ社会).これを違和感なく日本社会に受け入れさせるためのツールだった.そう,赤毛のアンはイデオロギー操作に利用されたのね.納得.